“ビッグモーター再建”が盤石である理由。「3.9兆円」の巨大市場にはまだまだ伸びしろが
◆中古車の市場規模は「3.9兆円」
そうはいっても、社会的な信用を失ったビッグモーターは本当に復活できるのでしょうか? その可能性は十分あるでしょう。国内の中古車マーケットは大きく、伸びしろがあるためです。
帝国データバンクは、2022年の中古車市場が過去最高の3.9兆円だったとの調査を明らかにしています(「「中古車販売市場」動向調査(2022年度)」)。2021年度比で0.3%の増加でした。
ビッグモーターの不正が明らかになった2023年以降、中古車市場は不信感が高まって需要が減退するのではないかとの意見もありました。しかし、競合を見る限り市況が悪化しているようには見えません。
◆生まれ変わったビッグモーターが上場する日が来るかも?
ガリバーを運営するIDOMの2023年3-11月の国内事業の売上高は、前年同期間比で1割増の3054億円でした。2023年3月期の国内事業は16.1%もの増収でしたが、そこから更に10%積み増しています。
そしてネクステージの2023年11月期の売上高は、前期比10.9%増の4634億円。2024年11月期は同17.6%増の5450億円を見込んでいます。
2社がビッグモーターから離反した顧客を吸収した可能性は十分に考えられますが、両社ともに二桁増収となっていることからも、市況そのものが悪化している様子は見られません。インフレが進行していることから、中古車市場の更なる活況にも期待できます。
ビッグモーターは新たなブランド名で再スタートを切ると見られています。組織体制を健全なものにするためには、上場を目指すのが手っ取り早いはず。健全な会社に生まれ変わったビッグモーターが上場する日を目にすることができるかもしれません。
<TEXT/不破聡>
【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界