今回は「レンズ豆の煮込み」の作り方を伝授します(以下、写真はすべて筆者撮影)

料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作れる方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。今回は「レンズ豆の煮込み」です。

調理時間が短く、思い立ったらすぐ食べられる

豆は日本の食卓にもっと取り入れるべき食材。日本人は他国と比べ、塩分の摂り過ぎが指摘されています。塩分を摂りすぎないように心がけることも大事ですが、カリウムを摂ることで体外にナトリウムが排出されるので、バランスが保てることが知られています。

昔からの料理に「煮豆」がありますが、砂糖を使った甘い味付けは現代的ではないですし、豆を水に戻すなど手間がかかるので、ここは一つ外国の料理に目を向けてみましょう。

豆類のなかではもっとも古くから栽培されているレンズ豆は小粒な豆の代表。

レンズ豆はラテン語でlensといいますが両凸形のガラス片、すなわちレンズの語源で、平たく薄い形をしています。薄いので加熱が短く済み、種皮も薄いので他の豆よりも吸水が早いのが特徴です。そのため事前に水に浸ける手間がなく、思い立ったらすぐに料理できます。今日は基本の料理の1つ。レンズ豆の煮込みを作ってみましょう。


レンズ豆には緑や灰色、黒など色々と種類がありますが、どれも同じように使えます

レンズ豆の煮込みの材料
ソーセージ    4本
レンズ豆     100g
玉ねぎ      1/2個
ベーコン     30g
サラダ油     大さじ1/2
水        500ml
顆粒ガラスープ  小さじ1
黒こしょう     適量

この煮込みにはニンジンやセロリを加えてもいいでしょう。ソーセージを省けば焼いた鶏肉や豚肉の付け合わせにもぴったり。


ベーコン30gは2〜3枚くらいです

玉ねぎ1/2個は縦半分に切ってから薄切りに、ベーコンは5〜6mm角に切ります。厚手の鍋にサラダ油と玉ねぎ、ベーコンを入れ、中火にかけます。音がしてきたら弱火に落とし、玉ねぎがしんなりするまで1〜2分炒めます。


蓋ができる鍋を使ってください

レンズ豆はさっと洗えばOKです。


乾燥工程でホコリが付着しているので必ず洗います

レンズ豆と水を加え、強火にかけます。豆にはある程度うま味があったほうが食べやすいので、顆粒のガラスープで味を補います。


ニンジンやセロリを入れる場合はこのタイミングで

沸騰してきたら弱火に落とします。


最初だけアクをとりのぞきましょう

蓋をすこしずらした状態にして、25〜30分煮込んでいきます。


火はできるだけ弱火に落とします

ソーセージは長く煮込むとパサパサになるので、時間差で加えましょう。ソーセージをそのままいれると皮がはじけるので、あらかじめ穴を数カ所あけておきます。


ソーセージは焼いてから加えてもいいでしょう

仕上がる5分前にソーセージを加えます。蓋をして5分ほど煮込めばソーセージから味が出ますし、中心まで温まります。


この段階でレンズ豆の味見をして、硬いようであればさらに加熱します


少しだけ水気が残った状態に仕上げます

出来上がり。好みで黒こしょうを加えます。ベーコンやソーセージといった加工食品を使っているので、塩味は十分なはずですが、好みで塩ひとつまみを加えてもいいでしょう。


レンズ豆の煮込みの完成

豆と塩蔵肉は驚くほどおいしくなる組み合わせ。また、驚くほど簡単です。レンズ豆はたっぷりの水を加えて、弱火でことこと火が通るまで煮てからザルに上げ、ドレッシングで絡めたサラダも絶品です。ワインと一緒に楽しんでください。


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(樋口 直哉 : 作家・料理家)