東大生もやってた「英語好きになるゲーム」2選
苦手意識をなくす、楽しく学べる英語のゲームを紹介します(写真:: pearlinheart / PIXTA)
英語の早期教育が広がっている今、苦手意識を持たないように、家庭でどう学ばせればよいのか、悩む人も多いのではないでしょうか。『小学英語 クイズ&パズル100』を監修した現役東大生の西岡壱誠さんが、東大生もやっていた英語が好きになるゲームを紹介します。
英語の早期教育は現在、当たり前のものになっています。
小学生のうちから英語にどんどん触れるのは当たり前で、小さいときに英語に触れることで、英語の発音を覚えられたり、英単語・英語表現を吸収できるようになると言われています。
しかし、子供に英語の勉強を自ら進んで実践してもらうためには、「楽しさ」が必要です。
英語を楽しく学ぶ一工夫が必要
楽しくなければ、小さい子供はなかなか英語の勉強をしたがらないのです。英語の早期教育では、ゲームやパズルのように英語に慣れ親しんでいくことが求められています。
東大生の親御さんは、英語の勉強を子供にさせる際にも、工夫をして「楽しく」実践している場合が多いです。この記事では、東大生たちが小さいときにやっていた、「英語に慣れ親しめるようになるゲーム」を2つ、紹介したいと思います。
「単語しりとり」
まずは「単語しりとり」です、これは、英単語のスペルでしりとりをするゲームのことです。まずは2人で1組のペアを作ります。大抵の場合は親御さんと子供ですが、友達同士やきょうだいでもいいでしょう。
そして、この画像のように、英単語のスペルでしりとりをしていくのです。
※外部配信先では画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
(画像:本書より引用)
片方が出した英単語に対して、その単語の終わりについたアルファベットを確認し、そのアルファベットから始まる次の英単語をつなげていきます。
例えば「egg」なら、「g」から始まる英単語を答えます。次がもし「goal」なら「l」から始まる英単語は何か、と考え、もし「land」と答えたら次は「d」から始まる英単語は、とつなげていくのです。
いろんな戦法も試すことができる
最初は、調べながらやってもいいですし、本を見ながらやってもいいでしょう。
慣れてきたらお互いに何も見ずに実践していきます。日本語のしりとりのように、同じアルファベットで終わる単語を何度も使って、相手に負荷をかけるという戦法も取ることができますね。
このゲームのいいところは、簡単な単語でもいいからたくさんの言葉を覚えてアウトプットする経験ができる点にあります。
英単語の勉強は、インプット中心になりがちです。ただ本に書いてある英単語を見て覚えようとしてしまいます。
しかし、重要なのはそれを活用し、口に出して使うことです。このゲームでは、自分の覚えた英単語をどんどん口に出していくので、英単語をたくさん復習することができます。
また、ゲームで勝つためには、いろんなスペルで始まる・終わる単語を覚えなければならないため、より多くの英単語を覚えようと、モチベーションも上がるのです。
スペルをきちんと理解できる
さらに、このゲームを続けていけば、スペルを覚えることができます。相手の英単語が最後にどのスペルで終わるのかを理解しないとゲームが成立しないので、「このアルファベットはなんだっけ」と自然と勉強することができます。
例えば、フェニックスという言葉は「不死鳥」を指す言葉ですが、最初のスペルは何かわかりますか? 「フェ」となっているので「f」だと思う人が多いでしょうが、実は「phoenix」なので「p」です。「knife」「write」などの単語は、「k」「w」の発音をしません。ここで、こんがらがってしまう人も多いでしょう。
英単語の最初のスペルも難しいですし、英単語の中には最後のスペルが曖昧になりがちなものもあります。
例えばトマトは、「tomato」なのか「tomat」なのかわかりますか? これは「tomato」が正解ですが、忘れてしまうこともあるでしょう。
はっきり発音する「sing」「strong」などの単語はいいですが、「bomb」「climb」などの単語は最後を発音しません。このように、発音とスペルの違いを意識するきっかけにもなります。単語しりとりは、たくさんの英語をスペルもセットでしっかりと覚えるきっかけになるのです。
「3ヒントクイズ」
3ヒントクイズは、思い浮かべている英語を、3つのヒントを出して相手に当ててもらうというゲームです。
(画像:本書より引用)
これは、2人1組になって、片方がその英語の持つ特徴を英語でヒントとして出し、もう片方がその特徴に当てはまる英単語を当てるというゲームです。
問題を出す出題者側は、とにかくなんでもいいので英単語を考えて、その英単語の持つ特徴・その単語から連想される英単語をヒントとして出題します。
色の特徴、どこにあるか、いつ見られるかなど、思い付いた単語をヒントとして挙げていきます。画像のように、単語1つではなく、「in the sky」のようにちょっとした英熟語・短文でも問題ありません。
そして回答する側は、その単語を当てます。3つのヒントで答えられたらクリアで、3つだとなかなか思い付かない場合は4つ以上のヒントを出していきます。
ゲームをすることで、鍛えられる力
このゲームに答えるには、連想の能力が必要です。
出題者側はその単語の持つ特徴を連想し、その特徴を英語で考えて表現しなければならなりません。解く側もその単語の特徴をつなげて考えなければならないのです。
どちらの側になっても、たくさんの英単語に触れ、英単語を類推することができるようになり、英語力が身に付くというゲームになります。
英単語を覚えても、その英単語の特徴を説明できないと、本当に覚えたことにはなりません。
例えば、先ほどの問題の答えは「虹」なのですが、「rainbow=虹」と習っても、そもそも「虹」というものがどういうものなのかわかっていない状態だと、英語として使うことはできなくなってしまいますよね。
英語の早期教育において課題になってくるのは、英語の語彙力以上に、日本語の語彙力だと言えます。
まだ日本語も十分に学んでいない子供たちは、日本語としてそもそも説明できないものを、英語として無理やり覚えてしまって、コミュニケーションでも試験でも使えなくなってしまうことがあるのです。
そうならないためには、しっかりとその単語の持つ特徴を理解する必要があり、そのためにこの3ヒントクイズは有効だと言えるのです。
実際にクイズにチャレンジ!
さて、では練習してみましょう。この問題の答えはわかりますか?
(画像:本書より引用)
「black and white」で「can’t fly」な「bird」。「鳥なのに飛べない」、というのがヒントですね。
正解は、「ペンギン[penguin]」です。わかりましたか?
このように、1つの言葉を特徴とセットで覚えていくことで、ほかの場所でも使えるような知識になっていきます。
英語を早くから勉強させたいと考える親御さんも多いと思いますが、やはり子供は、楽しくないとなかなか実践できないものです。ぜひ、楽しんで勉強できる工夫を親御さんのほうから準備してあげてみてください!
(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)