「えっ…納期は1年以上先!?」 途中で“キャンセル”出来る? 過去には高額キャンセル料トラブルも? 昨今の事情とは
クルマはオーダーキャンセルできるの?条件は?
最近は改善されつつありますが、車種やグレードによっては、クルマの納期が1年以上かかることもあるようです。
待ちきれなくなったとき、オーダーキャンセルはできるのでしょうか。
気に入ったクルマがあって契約したくなっても、車種やグレードによっては納期まで1年以上かかることもあります。
【画像】「えっ…!」これが納車時の「巨大な鍵」です、画像を見る!
しかし契約するときは「とても気に入ったから半年でも1年でも待つ」と思っていても、時間が経つにつれて「早く新車に乗り換えたいからキャンセルしたい」という思いが募ってくることもあるかもしれません。
そもそも新車を購入してからキャンセルはできるのでしょうか。
買い物のキャンセルでいうと「クーリング・オフ」という制度があります。クーリング・オフとは、いったん契約の申し込みや締結をした場合であっても、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり解除したりできる制度のこと。
しかし、原則としてクルマはクーリング・オフの対象外となっています。
なぜなら、クルマは、高価な買い物であることから、契約前に十分に検討してから購入するのが一般的だと考えられているためです。
それでは、「クルマはオーダーキャンセルできないのか?」と思う人もいるかもしれませんが、ある条件を満たしていると、オーダーキャンセルは可能です。
条件は、「売買契約書に規定がある」「契約確定前」「瑕疵(かし)が発覚した」「未成年の契約」などです。
まず、売買契約書に規定があると、オーダーキャンセルが可能です。
ただし、オーダーキャンセルにともなう違約金が設定されているケースもあるため、気をつける必要があります。
次に、正式に契約が成立していない「契約確定前」であれば、キャンセルに応じてくれる可能性が高いでしょう。
販売会社によって、クルマの登録実施日、販売店のパーツ取り付け作業開始日、納車日のうち1番早い日が契約確定基準日などとされているようです。
また、瑕疵があった場合、購入者は売主に契約解除、または、損害賠償を請求できることが民法によって定められているため、オーダーキャンセルが可能です。
そのほか、クルマの購入者が未成年だった場合、親の同意を得ていなければ、正式に契約ができないという決まりがあるため、一度成立した契約であっても取消できます。
想定より納期が遅れそう…オーダーキャンセルできる?
社会情勢による流通の乱れや海外需要の高まりなど、クルマ部品の供給不足により、納期が想定よりも遅れる事態も起こっています。
当初の予定よりも納期が遅れることがわかった場合、オーダーキャンセルはできるのでしょうか。
クルマの取引をおこなう業者によって構成される一般社団法人「自動車公正取引協議会」には、クルマのオーダーキャンセルに関するトラブル相談が相次いで寄せられています。
例えば、契約した翌日、販売店にオーダーキャンセルを申し出たところ、メーカーに発注済みのためキャンセルはできないと言われる事例がありました。
そのほか、オーダーキャンセルできるものの20万円といった高額なキャンセル料を請求された事例もあります。
またローンでクルマを購入する場合、キャンセルするにあたって別途手数料がかかってくることがあります。
そんなオーダーキャンセルについて、首都圏のとある販売店は次のように話します。
「お客様が返品をご希望であれば、お断りはできないのでオーダーキャンセルという対応はいたします。
以前、キャンセルをされたお客様が実際にいましたが、前受金や申込金は全てお返ししました」
また別の販売店は次のように話します。
「キャンセルは契約上はできます。
キャンセルをすることでのトラブルといった事例は特にありません。
しかし、キャンセルをしたという履歴が情報として残るため、次にオーダーをする際に多少影響が出る可能性があります」
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昨今の超納期化により、「納車待ちの最中に他モデルに変更する」という人もいると言います。
具体的にオーダーキャンセルが出来るかどうかは、個々の状況により異なるものの、比較的柔軟に対応してくれるケースがあるようです。