クイーンCに出走予定のテリオスサラ(撮影:下野雄規)

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 厳寒期に行われる牝馬限定重賞とはいえ、牝馬三冠路線を占う意味では重要な位置づけにあり、過去10年間で3番人気以内馬は[9-5-5-11]と堅調傾向。加えて、今年から別定重量から馬齢重量に変更されており、実力馬が有利にレースを運べる印象だが、今年の場合は登録14頭中、オープン特別優勝経験馬は1頭のみ。頭が痛い1戦だ。東京競馬場芝1600mは直線の長いワンターン。極端なハイペースになることは少なく、先週の東京新聞杯がそうだったようにスピードと粘着力が問われるケースが多い。

 ◎テリオスサラは赤松賞2着馬。このときは3ハロン通過35.7秒、半マイル通過47.9秒のペースにやや力みながらも流れに乗って最後の直線は早め先頭からのちに阪神JFで2着となるステレンボッシュに0.1秒差まで食い下がった。期待した前走は大きく出遅れて参考外。それでもインコースで脚を溜め、最後は大外から0.4秒差まで追い上げたことを評価したい。新馬戦で先着を許した2着馬は次走で勝ち上がっており、また未勝利戦を勝ち上がったときの2着馬も次走で勝利している。ゲートを無事に決めてくれれば好勝負できそうだ。

 〇ルージュスエルテは1勝クラス東京競馬場芝1400m優勝馬。1番人気に支持された芝1800mのデビュー戦は好ダッシュを見せたものの折り合いに専念しているうちにポジションが下がり、後方に。それでも、最後は差を詰めてきたように能力を示し、その後は芝1400m戦を2連勝。前走は前半3ハロン37.6秒、半マイル通過50.7秒のスローペースにやや口を割るようなシーンもあったが、最後2ハロンは10.8~10.8で後続を突き放した。

 ▲クイーンズウォークは阪神競馬場芝1800m未勝利戦優勝馬。もっさりしたスタートもすぐにリカバリーして好位追走。半マイル通過47.8秒のスローペースにやや力むようなシーンもあったが、それでも最後は11.8秒~11.4秒~11.2秒という加速ラップをあっさりと抜け出して後続を突き放した。半兄にグレナディアガーズがいる良血牝馬。先々が楽しみな1頭だ。

 △サフィラは、サラキアの半妹でサリオスの全妹。昨秋のアルテミスSは2着だった。1番人気に支持された阪神JFは最後の直線で、なかなかトップギアに入らず上位3頭には及ばなかったが、ゴール前では外から伸びて0.7秒差4着まで押し上げた。まだ侮れない1頭だ。△ルージュサリナスは東京競馬場芝1600m新馬戦優勝馬。小柄な牝馬でキャリア1戦だが、その内容からは侮れない。△アルセナールはナミュールの半妹でキャリア1戦。そのデビュー戦で見せた最後100mの脚は印象に残っている。