歯の「詰め物」がすぐに取れる…どうして? ティッシュで包んでOK? 対処法を歯科医師に聞く
歯科医院で虫歯の治療を受けたときに、詰め物を装着してもらったことがある人は多いと思います。ただ、中には装着後、短期間で取れてしまう人もいるようで、SNS上では「また歯の詰め物が取れた」「1カ月前に詰めた歯の詰め物が取れた」「詰め物が取れたのは今月で2回目」という内容の声が上がっています。
歯の詰め物がすぐに取れてしまうのはなぜなのでしょうか。詰め物が取れた場合の対処法などについて、与野MFデンタルクリニック(さいたま市浦和区)院長で歯科医師の須長敬さんに聞きました。
歯ぎしり、食いしばりが原因の可能性
Q.虫歯の治療の際は、詰め物やかぶせ物を装着してもらうことが多いと思います。そもそも、詰め物とかぶせ物は何が違うのでしょうか。
須長さん「詰め物は、小さな虫歯を削った後、穴が開いた場所を補う際に使われます。かぶせ物は、虫歯の進行が大きく、歯の神経を取った後や歯を大きく削った後に装着する物です。詰め物やかぶせ物の素材は金属やセラミックなどさまざまで、保険が適用されないケースもあります」
Q.虫歯の治療で詰め物を装着してもらった後、すぐに取れてしまう人がいるようですが、なぜなのでしょうか。取れてしまった場合、どうすればよいのでしょうか。
須長さん「詰め物がすぐに取れる場合に考えられるのは、歯ぎしりや食いしばりがあるせいで、詰め物に強い力や、歯を揺らすような力がかかっているということです。歯ぎしりや食いしばりが癖になっていると、一部の歯に強い力をかけ続けるため、詰め物が外れやすくなるほか、割れたり欠けたりしやすいです。
詰め物は基本的に接着剤で装着するため、経年劣化により、維持力が低下し脱落しますが、その間に内部で再びむし歯になっているケースも多いです。詰め物が取れた場合は、ティッシュなどで包まず、小さなポリ袋や容器に入れて保管し、治療の際に持参してください。
歯科医院で詰め物やかぶせ物を装着してもらった後は、再び虫歯にならないように念入りにケアすることが大事です。詰め物と歯の境目や、かぶせ物と歯肉の境目には歯垢(しこう)がたまりやすいため、毎日、念入りに歯を磨きましょう。
また、詰め物やかぶせ物の中には、耐久性の高い素材もあるため、気になる場合は治療時に歯科医院に相談してみましょう」
Q.装着した詰め物がすぐに取れてしまった場合、費用はどうなるのでしょうか。
須長さん「保険内と保険外(自費診療)によって変わります。保険内の場合は、そのときの状況と術式を基に、保険の算定方法に則って費用が計算されます。
保険外の場合、条件や装着期間によっては保証制度が設けられている場合もあるため、歯科医院に相談してください」