狙うのは上がり最速タイプではない? 過去10年データから探る「東京新聞杯」
今週も開催は引き続き、東京・京都・小倉の3場。
重賞は日曜日にGIII戦が2つ。芝マイルの東京新聞杯(GIII・東京・芝1600m)と、3歳の芝中距離戦・きさらぎ賞(GIII・京都・芝1800m)が行われる。
今週は、今年も多頭数開催になりそうな東京新聞杯をピックアップ。いつものように過去10年データから馬券のヒントを探っていこう。
1.軸馬候補1~3番人気馬では妙味なし?
まずは人気上位馬の成績チェックから。
東京新聞杯では過去10年、1番人気馬で勝っているのは19年のインディチャンプだけ。成績は【1-1-2-6】と、年末年始の芝重賞のなかではかなり成績が悪い。
2番人気馬は0勝で、成績は【0-1-2-7】とこれも低レベル。3番人気馬は3勝で【3-1-1-5】。上位人気のなかでは3番人気馬が一番成績良いといえる。
ところが4-6番人気馬のほうが実は好調。4番人気馬は3勝で【3-0-1-6】。5番人気馬が2勝で【2-2-2-4】。6番人気馬が0勝で【0-3-1-6】。このなかから軸馬を選んだ方が、若干期待値は高いような感じだ。
2.人気薄の2ケタ人気馬も苦戦?
例年、出走頭数は14-16頭立てになることが多いレース。だが「10番人気以下の馬」はさほど馬券圏内にはなっていない。
最近では21年12番人気2着カテドラル、16年11番人気3着のマイネルアウラートの2頭だけ。13番人気以降の馬はまったく好走していないのだ。
つまり人気薄馬同士での決着パターンはなし。大穴同士の馬券は狙いすぎということなのだろうか。
3.7&8枠の勝馬なし? だが外枠も狙えることがある?
過去10年、勝っている馬はすべて馬番11番から内側。
一昨年のイルーシヴパンサーが11番で1着、21年のカラテが10番で1着となっているが、それ以前と昨年は、勝利馬はすべてひと桁馬番の馬たちだった。
というわけで、7枠と8枠からは1着馬は出ていない。人気馬でも外枠に入った馬の単勝は買いづらい。
反面、7.8枠の馬は2.3着にはなることがけっこう多い。正確にいえば、5枠から外枠の馬が3着になることが多いのである。過去10年、3着になっているのは「10回中9回、5枠から外の馬」。フォーメーションで3連単を買うならばちょっと気にしておきたい。
4.なぜか上がり最速の馬が馬券にならない?
東京新聞杯の開催コースは、長い直線を走る東京芝マイル。となれば、差し馬が届くイメージは強い。馬群後方からでも、上がりが速ければ差し切れると思うはずだ。
しかし東京新聞杯では過去10年、レースの最速上がり出した馬で勝っているのは1頭しかいない。それが22年1着のイルーシヴパンサー(上がり33.1秒)。イルーシヴパンサーを除く上がり最速出しているのべ10頭中、馬券になっているのは2着が2頭いるだけ。そのほかはことごとく差し切れていない。
理由はふたつ。差しタイプでもポジションが後ろ過ぎると届かないこと。あとは先行・中団タイプも止まらないということ。つまり狙うのは、ポジションが後ろ過ぎない&バテないスピード持続型。4-6番人気にそんなタイプがいたら妙味あるといえるだろう。