社会人1年目に買ったファースト・ティファニー。6年経った今、次に狙うのは…
名品には数々の効力がある。
身に着けることで日々のモチベーションアップにつながったり、自分に自信をくれたり――。
まさに、大人たちのお守り的存在だ。
本連載では人々から愛され、流行に左右されることない一生モノの“ファッション名品”にフォーカス。
今回登場するのは、Webマーケターとして働く佐野由奈さん。彼女が紹介してくれるアイテムとは?
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今回お話を聞いたのは、佐野由奈さん
1994年生まれ、静岡県出身の29歳。Web広告代理店での営業職を経て、現在はフリーでWebマーケターとして活躍。
思い出に刻まれる「マイ・ファースト・ティファニー」
買い物とは、時に思い入れ深くあるべきだ。例えば、社会人になって初めての大きな購入品もそのうちのひとつになるだろう。
「社会人1年目の終わりに買った記念の品です」と佐野さんが話すのは、ティファニーの「インフィニティ ペンダント」だ。
2018年3月、旅行先の台湾で約9万円で購入。カラーはイエローゴールド
「コロナ前はよく海外旅行をしていて、台湾は学生時代から何度も行くほど好きな場所。社会人1年目が終わるタイミングで、大好きな台湾へ旅行したときに購入しました。『初めての決算が終わった…1年間営業をやり切ったご褒美だ!』と、何か思い出に残したかったんです」
彼女とってはこのネックレスが“マイ・ファースト・ティファニー”。「T スマイル ペンダント」やひと粒ダイヤモンドのタイプと悩み、この「インフィニティ」に決定したという。
その理由とは一体なんなのだろうか?
「シーンを選ばずに使えるシンプルさ。普段はジーンズなどのカジュアルな服装で、色は黒系が多いので、合わせやすいゴールドを選択しました。他の候補として、カルティエやブルガリも見ましたが、当時まだ社会人1年目の私には早いかなと(笑)」
その後、社会人7年目、29歳になった今でも、オン・オフ問わずほぼ毎日着用しているという。
27歳でフリーランスになることを決意。「ふと寂しくなる時もある」けれど…
新卒入社し3年半働いたWeb広告代理店を退職してからは、個人事業主として奮闘する佐野さん。
聞くと、営業希望で転職活動をし、内定が出ていた会社もあったという。でも結果、彼女の望む外勤営業への配属が難しかった。このことで、個人事業主として働くことを決心したのだとか。
「会社員で希望が通らないのなら…と、業務委託で仕事を始めてみたのがきっかけです。でも、例えば30代後半だったらこの判断はできなかったかもしれません。少しでも若いうちに、『とりあえずやってみよう!』というテンションで、フリーランスになりました。生活できなくなったら、また会社員に戻る覚悟で」
がむしゃらに働きながら、個人事業主になって3期目を迎えた。順調にステップアップしているようにも見えるが、大変なことはあるのだろうか?
「会社員時代は特定のチームメンバーと毎日仕事をしていましたが、今は、案件ごとにメンバーが流動的。毎日違う方たちと仕事をするのが、楽しくもあり大変なところですね。
正直、ふと寂しくなる時もあります。いつも一緒のメンバーじゃないから、密にコミュニケーションを取る機会も少なく、一番頼れる上司・同僚みたいな存在がいない。
でも最近やっと仕事が安定してきて、個人事業主の友達が増えたり、周りに相談できる方ができたり。ようやく少しだけ気が楽になった感覚があります」
そうほほ笑む佐野さんと人生を共に歩むアイテムがもうひとつある。
母親から受け継いだ名品バッグ
次に紹介するのが、ルイ・ヴィトンのモノグラムバッグ「アルマ PM」だ。
きっかけは、大学を卒業し、社会人になるタイミングでの引っ越しだった。
地元の静岡から東京へ、両親が手伝いに来てくれたというのだが…。その時に「はい、あげる」と母親から渡されたのがこのバッグだったという。
2017年の春、母親から受け継いだ。「友人と月1で開催しているご褒美ランチの日によく使います」と佐野さん
「お母さんから突然『欲しい?』と聞かれたので、『欲しい!』と答えて受け継ぎました(笑)。昔から『大人になったらあげるね』と言われていて楽しみにしていたので“その瞬間”が突然やって来てすごく嬉しかった」と語る。
家族はもともと仲が良く、全員で沖縄旅行をしたり、母親と2人で京都旅行をしたり、よくお出かけもするという。果たして地元が恋しくならないのだろうか。
「家族は仲良し、実家も大好き。でも、やっぱり地元で今みたいに仕事をするのは難しい。クライアントに会いに行かないといけないですからね」
両親に「由奈は自由に楽しく生きていてたくましいね」とよく言われるとか。その言葉のとおり、凛々しく聡明な佐野さんの姿がそこにはあった。
◆
佐野さんは、ティファニー「インフィニティ ペンダント」について、「仕事のときも、ちょっと良いレストランに行くときもずっと一緒。私の相棒です」とも話していた。
「たぶん“名品”と語るにしては、小さいものかな…と思うんです。でも、当時の私にしたらすごく高価で、大きな買い物。社会人になって初めて自分で買うブランド物でしたし、営業として1年駆け抜けたあとに購入したことで、やっぱりたくさんの思い入れがある。
『また違う名品を買えるように、仕事を頑張ろう』と思わせてくれる、価値ある大切な存在です」
そんな彼女も、来年30歳の節目の年を迎える。そして今狙っているアイテムが、カルティエのヴィンテージウォッチだ。
「馬車馬のように働いて、早く手に入れたいです!(笑)」
そう笑顔で語る佐野さんの新しい人生を、カルティエの時計が見守る日も近いだろう。
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写真/品田健人