シニアになればなるほど“多様性”が増す!?サントリーウエルネス株式会社が“人”に着目する理由
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00〜20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。12月23日(土)の放送は、前回 https://news.audee.jp/news/GFrHKeIRe1.htmlに引き続き、サントリーウエルネス株式会社 常務執行役員・ヘルスケア事業部長の山村大(やまむら・だい)さんをゲストに迎え、お届けしました。
山村さんは、2002年にSIer(エスアイヤー)へ新卒入社後、2005年にリクルートに入社し、エンジニアとして、システム開発やメディアのブランディング業務などに従事。2013年には、リクルートテクノロジーズ執行役員、以後、リクルートホールディングス リクルート事業会社各社の事業責任者およびDX責任者を歴任。2021年3月より現職に就いています。
◆DXを進めていくうえで大切にしていること
これまでDX責任者を歴任してきた経験を持つ山村さんに、DXを推進するうえでの組織づくりについて伺うと、まずは“人材の採用”について言及します。
山村さんが入社した当時、システム担当の社員は5人ほどだったそうですが、「DXプロ人材がたくさん欲しい」と人事に相談し、多くの人材を採用。現在は50人を超える規模となり、「社外のエンジニアも含めると400〜500人ぐらいの体制になっています。2年間くらいで約10倍の規模まで拡大してきました」と成果を振り返ります。
とはいえ、一般的には採用にばかり注力してもうまくいかないケースもある。「人を採っても回らない、外から入ってきた人材が馴染めないケースもあるなかで、組織づくりで最も意識したのは“新しく入ってきた方々が、この会社でどのような自分の『物語』をつくれるか”。私は、彼らがキャリアを終えるときに“自分は(仕事を通じて)こんな人間になれたんだ”と語れる人になってほしい。単にルーティンワークをこなすのではなく、喜びも苦しさも感じながら、人生の記憶に残る仕事をしてもらう。社員一人ひとりの『物語』をどう設計するかを一番に意識しました」と熱弁します。
自身の経歴を振り返ってみても「苦労もたくさんありましたけど、その後に成長を感じられる環境で仕事をすることができました。振り返ったときに(胸を張って)語れることがすごく大事だと思いますし、それに対して会社が本気で向き合っているスタンスは、会社を経営するうえでもすごく大事だと思います」と話します。
◆組織づくりもプロダクト開発も“人”に着目する理由
「ミドル・シニア層」を主なターゲットとして、国内サプリメント市場ナンバーワンの売上高を誇る「DHA&EPA+セサミンEX」をはじめとする健康食品などウエルネス事業を展開するサントリーウエルネスですが、体の悩みに合わせた健康行動を気軽に習慣化しながらポイントが貯まる会員向け無料アプリ「Comado(コマド)」の開発・運営にも力を入れています。
そこで笹川が、「ターゲット層にデジタルサービスを開発・提供していくなかで、どの辺りを注力されていますか?」と質問。これに対し、山村さんは「シニア層の社員はいないので、お客さまのことは(想像でしか)分かりません」と前置きしたうえで、「人は歳をとればとるほど多様性が増すんです。時間が経てば経つほど人の経験って複雑化しますし、人生の経験を重ねるほど、人の感性も価値観も変わっていく。そのなかで、シニアではない私たちが(製品やサービスを)企画しなければならない。お客さまの多様性に応えていくためには、シニアの方々を“ひと括りにしないこと”が大事」と語ります。
そして、もう1つ大切なこととして“お客さまの声を徹底して聞けるかどうか”という点を挙げます。実際に、サントリーウエルネスでは全社をあげて、2020年9月からこれまでに計1,200人以上のシニア層の方々へのインタビューを実施。コロナ禍だったためオンラインではあったものの、「『日々どうやって過ごされているのか』『どういうことに感情が触れるのか』ということを知るためには、お客さまの声を聞くしかないと思った」と話します。
これに笹川は「DXについての話を聞いているのですが、返ってくる答えは、人のストーリーだったり、シニアの方々に話を聞いたり……結局、会社として向き合うところは“人”なんですね」と感じ入ります。
それに山村さんは大きくうなずきつつ、「近年は、テクノロジーで解決できることもありますけど、それを動かしたり、組織をつくっているのは人だと考えています。今後もソリューション(課題解決)としてのテクノロジーは技術力を上げないといけないですし、新しい技術もどんどん学ばないといけない。一方で人としての“個”がどれだけ輝くのか。ここの掛け合わせが“サントリーらしい”という思いで運営しています」と話していました。
次回12月30日(土)の放送は、IoTNEWS代表の小泉耕二さんをゲストに迎えてお届けします。2023年のIT、デジタルシーンの振り返りなど、貴重な話を聴けるかも!?
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12月23日放送分より(radiko.jpのタイムフリー) http://www.tfm.co.jp/link.php?id=9052
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里
(左から)山村大さん、笹川友里
山村さんは、2002年にSIer(エスアイヤー)へ新卒入社後、2005年にリクルートに入社し、エンジニアとして、システム開発やメディアのブランディング業務などに従事。2013年には、リクルートテクノロジーズ執行役員、以後、リクルートホールディングス リクルート事業会社各社の事業責任者およびDX責任者を歴任。2021年3月より現職に就いています。
◆DXを進めていくうえで大切にしていること
これまでDX責任者を歴任してきた経験を持つ山村さんに、DXを推進するうえでの組織づくりについて伺うと、まずは“人材の採用”について言及します。
山村さんが入社した当時、システム担当の社員は5人ほどだったそうですが、「DXプロ人材がたくさん欲しい」と人事に相談し、多くの人材を採用。現在は50人を超える規模となり、「社外のエンジニアも含めると400〜500人ぐらいの体制になっています。2年間くらいで約10倍の規模まで拡大してきました」と成果を振り返ります。
とはいえ、一般的には採用にばかり注力してもうまくいかないケースもある。「人を採っても回らない、外から入ってきた人材が馴染めないケースもあるなかで、組織づくりで最も意識したのは“新しく入ってきた方々が、この会社でどのような自分の『物語』をつくれるか”。私は、彼らがキャリアを終えるときに“自分は(仕事を通じて)こんな人間になれたんだ”と語れる人になってほしい。単にルーティンワークをこなすのではなく、喜びも苦しさも感じながら、人生の記憶に残る仕事をしてもらう。社員一人ひとりの『物語』をどう設計するかを一番に意識しました」と熱弁します。
自身の経歴を振り返ってみても「苦労もたくさんありましたけど、その後に成長を感じられる環境で仕事をすることができました。振り返ったときに(胸を張って)語れることがすごく大事だと思いますし、それに対して会社が本気で向き合っているスタンスは、会社を経営するうえでもすごく大事だと思います」と話します。
◆組織づくりもプロダクト開発も“人”に着目する理由
「ミドル・シニア層」を主なターゲットとして、国内サプリメント市場ナンバーワンの売上高を誇る「DHA&EPA+セサミンEX」をはじめとする健康食品などウエルネス事業を展開するサントリーウエルネスですが、体の悩みに合わせた健康行動を気軽に習慣化しながらポイントが貯まる会員向け無料アプリ「Comado(コマド)」の開発・運営にも力を入れています。
そこで笹川が、「ターゲット層にデジタルサービスを開発・提供していくなかで、どの辺りを注力されていますか?」と質問。これに対し、山村さんは「シニア層の社員はいないので、お客さまのことは(想像でしか)分かりません」と前置きしたうえで、「人は歳をとればとるほど多様性が増すんです。時間が経てば経つほど人の経験って複雑化しますし、人生の経験を重ねるほど、人の感性も価値観も変わっていく。そのなかで、シニアではない私たちが(製品やサービスを)企画しなければならない。お客さまの多様性に応えていくためには、シニアの方々を“ひと括りにしないこと”が大事」と語ります。
そして、もう1つ大切なこととして“お客さまの声を徹底して聞けるかどうか”という点を挙げます。実際に、サントリーウエルネスでは全社をあげて、2020年9月からこれまでに計1,200人以上のシニア層の方々へのインタビューを実施。コロナ禍だったためオンラインではあったものの、「『日々どうやって過ごされているのか』『どういうことに感情が触れるのか』ということを知るためには、お客さまの声を聞くしかないと思った」と話します。
これに笹川は「DXについての話を聞いているのですが、返ってくる答えは、人のストーリーだったり、シニアの方々に話を聞いたり……結局、会社として向き合うところは“人”なんですね」と感じ入ります。
それに山村さんは大きくうなずきつつ、「近年は、テクノロジーで解決できることもありますけど、それを動かしたり、組織をつくっているのは人だと考えています。今後もソリューション(課題解決)としてのテクノロジーは技術力を上げないといけないですし、新しい技術もどんどん学ばないといけない。一方で人としての“個”がどれだけ輝くのか。ここの掛け合わせが“サントリーらしい”という思いで運営しています」と話していました。
次回12月30日(土)の放送は、IoTNEWS代表の小泉耕二さんをゲストに迎えてお届けします。2023年のIT、デジタルシーンの振り返りなど、貴重な話を聴けるかも!?
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12月23日放送分より(radiko.jpのタイムフリー) http://www.tfm.co.jp/link.php?id=9052
聴取期限 2023年12月31日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里