低体温の子は感染症にかかりやすい⁉️体温を上げる食事には◯◯が欠かせない
【"成功する子"の食事術vol.19】子どもの成長に食事が大切ってことは分かっているけれど、どんなものを作ればいいの?毎日のことだから、悩んでいる親御さんも多いはず。シリーズ累計14万部突破「成功する子は食べ物が9割」の著者・細川モモさんに、20年後に後悔しない子どもの食事術を教えてもらいましょう。
例年より早いインフルエンザの大流行に始まり、12月はさらに溶連菌、COVID-19、アデノウイルスも流行中。止まることのないウイルス祭の現状に、白目を剥いているお母さんも多いのでは無いでしょうか。
「どうやって対策をしたらいいのでしょうか……」という質問を多く頂戴します。
そこで今回は、体温についてお伝えさせてください。
多くのママを悩ませる冷え性、低体温ですが、近年は子どもの体温も低くなっている事が問題になっています。
体温が下がることの何が問題なのでしょうか?
ひとつ目には、細胞が不活性になってしまい、多くの臓器や身体機能がパワーダウンしてしまい、正常に機能しにくくなってしまうことです。
ふたつ目には、感染症にかかる可能性が高まってしまうことです。
私たちは寒さによって体が冷えると、強く持続的なストレスを感じます。その結果、脳から抗ストレスホルモンが分泌され、これによりリンパ球(白血球の一種)などの数が減ってしまい、一時的に免疫が低下してしまうのです。
体が冷えやすい原因は一つではありませんが、今から変えられるものに食生活があります。
体温を上げるカギは、朝ごはん!
体温は、活動以外でも上がることをご存知ですか?
それは、食事です。
ごはんを食べると体が温かくなりますよね。私たち人間は、食事をする事で消化にかかるエネルギーを生み出し(食事誘導性熱生産、以後DIT)、同時に熱を発生させています。食事によりDITが上がり、体が温まり体温が上がるのです。
また、DITによって発生する熱の量は、食べ物によって異なります。例えば、DITによるエネルギー消費は、炭水化物では約5%、脂質では約4%ですが、たんぱく質は30%にもなります。つまり、炭水化物や脂質よりも、たんぱく質食材を食べるほうが体温が上がりやすいのです。
さらに、大切なのは朝ごはんです。
体温は就寝中に1℃程度低下してしまうので、下がった体温を上げて午前中いっぱい温かい体を維持する上で、朝ごはんは欠かせません。
同じ食事量・食事内容でも、朝ごはんを食べる人の方が食事誘導性熱生産(DIT)がより高いことが、2014年8月〜2015年3月に実施されたラブテリの調査(※)で明らかになっています。また、サプリメントだけ、スムージーやスープだけといった流動食や、食事をよく噛まずに飲み込んでいると、DITは上がりにくいことがわかっています。
「きちんと噛んで食べるたんぱく質リッチな食事」が体温をあげるのだと覚えておきましょう。食事は食べて数時間で消化されますので、3食コンスタントに食べることで一定の体温を維持できます。
ポカポカの体をつくるのは筋肉
筋肉には、体温を生み出すサルコリピンというたんぱく質が存在しています。
そして、実はDITも、筋肉量が減少して基礎代謝が低下すると下がりやすくなってしまうのです。筋肉は運動によって増やすだけでなく、食事によって「減らさない努力」をすることが同じくらい大切です。
なぜなら、筋肉の主な材料となる栄養素の多くは体では作り出せず、食事からとる必要があるからです(主材料はたんぱく質ですが、10品目をバランスよく食べている人が全身の筋肉量が良好であることがわかっています)。
また、筋肉は1日に必要なエネルギー量が不足すると、分解されることでエネルギーとして消費されてしまいます。ラブテリが行っている小学生向けの体組成チェックでは、背は伸びていても筋肉や骨に栄養が足りないエネルギー不足の子どもが目立ちます。この状態では運動しても筋肉量は増えず、エネルギーとして分解されてしまい、かえって冷えやすくなる可能性があります。さらに、体温を保持する体脂肪も少ない痩せ型子どもも増えています。
成長期の子どもはお菓子の前に、「鶏そぼろおにぎり」「納豆トースト」「きな粉餅」「グラノーラ」のような、身になる補食を与えてあげましょう。
※ 出典:まるのうち保健室集計報告 働く女子1022名の食生活白書より
細川モモさんの著書
「成功する子は食べ物が9割 栄養ぐるぐるレシピ」(主婦の友社)
物価高でもたんぱく質(肉•魚)を食べ続ける知恵レシピ!
成長期の子どもたちはそれでなくとも体重あたりに必要なたんぱく質の量は大人の2倍ほどにもなり、食欲も右肩上がりで食費に頭を抱えているご家庭も多いと思います。
とくにたんぱく質は肉や魚といったエンゲル係数を押し上げる要因になりがち。
だからこそ栄養価が高くて成長と家計の強い味方である「鮭」「さば」「豚肉」「鶏肉」「ひき肉」を安いときにまとめ買いして冷凍し、家族に「またこれ〜!?」といわれないよう「味変レシピ」をストックしておきませんか。
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細川モモ
ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年春に、医師や管理栄養士を中心に13種の医療専門家及び博士/研究者が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。専門家の知識を分かりやすく提供することで、日本の家庭教育と子どもたちの健康をサポートしようと幅広い活動を展開。さらに、予防医療のなかでも、”母子健康”に注力。課題は深刻だが国のサポートが手薄なため、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組んでいる。生まれてくる赤ちゃんの栄養状態・成長は妊娠前のママの栄養状態に影響されるが、働く女性の栄養状態は近年悪化している。日本の未来を守るためにも、母子栄養を潤す事は必要不可欠と考え、栄養状態の悪い女性を減らすことで不妊症や低出生体重児を予防し、1人でも多く健やかな赤ちゃんが生まれることを願い、走り続けている。
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