アクアはドラム式洗濯乾燥機「まっ直ぐドラム」シリーズの最新モデル「まっ直ぐドラム 2.0」を発表しました。まっ直ぐドラムシリーズは、日本市場では主流の「ななめドラム」を見直し、ドラムを水平に設置することとヒートポンプユニットの配置の工夫などによって大容量ながらコンパクトさを実現したシリーズです。

↑アクアが発表したドラム式洗濯乾燥機「まっ直ぐドラム 2.0」シリーズ。発表会には俳優の町田啓太さんがスペシャルゲストとして登壇しました

 

↑最上位モデルの「AQW-DX12P」(洗濯12kg/乾燥6kg)は左開きと右開きを用意。写真はホワイト。「AQW-DX12P」は発売中で実売価格26万9890円

 

↑「AQW-DX12P」のシルキーブラック

 

↑左端の「AQW-D12P」(洗濯12kg/乾燥6kg)は左開きのみで、「AQW-D10P」(洗濯10kg/乾燥5kg)は左開きと右開きを用意しています。「AQW-D12P」は発売中で実売価格25万640円。「AQW-D10P」は2024年1月下旬発売、実売予想価格27万円前後

 

“タイパ家電”としてドラム式洗濯乾燥機のニーズは増加中

洗濯機市場全体の販売台数は直近では2019年から右肩下がりの状況が続いている一方で、ドラム式洗濯乾燥機の需要が年々増加しています。その中でもコロナ禍での清潔需要や“タイパ家電”として伸びているのがドラム式洗濯乾燥機です。

 

商品本部 ランドリー企画グループ ディレクターの小山秀樹氏は、「洗乾一体型のうちドラム式の構成は2019年の59%から今や75%を占めるまでになっています」と語りました。

↑日本における洗濯機販売台数の推移(写真左)と、洗濯乾燥機におけるドラム式洗濯乾燥機の割合(写真右)

 

従来のドラム式洗濯乾燥機は、縦型の洗濯乾燥機より節水性や省エネに優れているものの、大きくて設置しにくいという課題がありました。そこで2021年に登場したのがまっ直ぐドラムシリーズです。購入者アンケートによると、購入時に魅力を感じたポイントの1位が本体サイズで、縦型からの買い替えが60%に上っており、1〜2人での使用が約48%と多数を占めているとのことです。

↑2021年発売モデル購入者が以前に使っていた洗濯機の割合(写真左)と、購入者の家族構成(写真右)

 

洗浄性能と仕上がりの良さを重視して「まっ直ぐドラム」を採用

真っ直ぐドラムのコンパクト化の肝について開発を担当したハイアールアジアR&D ランドリー商品開発本部 商品企画グループ ディレクターの内藤正浩氏は「『まっ直ぐドラム』と『ヒートポンプと熱交換器の分割』にあります」と語りました。

 

「ドラムを水平にすることで上下前後のスペースを削減でき、ヒートポンプと熱交換器を上下に分割することで内部の空きスペースを活用しました。熱交換の効率が高く、コンパクト化が可能な『マイクロチャネル熱交換器』を採用したこともコンパクト化を実現した秘密の一つです」(内藤氏)

↑ヒートポンプと熱交換器を上下に分割したことや、マイクロチャネル熱交換器の採用によってコンパクト化を実現

 

アクアは日本市場における業務用洗濯機のトップシェアを誇っており、コインランドリーなどでは水平ドラムを採用しています。

 

「業務用ではまっ直ぐドラムが高性能であることが常識でしたが、家庭用では取り出しやすさを優先してななめドラムが必要になっておりました。しかし我々は洗濯の原点に戻って洗濯の本質である洗浄性能と仕上がりの良さにこだわりました。まっ直ぐドラムは布絡みが少ないため効率的な洗浄が可能になっており、29分というスピード洗濯も実現しております」(内藤氏)

 

本体サイズは幅595×高さ943mmは全モデル共通で、12kgモデルは奥行き685mm、10kgモデルは奥行き616mmとコンパクトに仕上がっています。

↑一般的なななめドラム式洗濯乾燥機とのサイズ比較イメージ

 

「エアウォッシュプラス」で洗いにくいものも除菌&抗菌コートできる

基本機能としては液体洗剤・柔軟剤自動投入機能に加えて、まっ直ぐドラムが回転と静⽌を繰り返すことで高濃度洗剤液を衣類全体に浸透させて洗う「オールラウンド浸透洗浄」機能を搭載。最上位モデルのDX12Pのみ、水温や水の硬度、洗剤の種類、汚れの量、布など10種類の洗濯状況をセンシングして洗濯時間や洗剤量を自動調整する「Aiウォッシュ」機能と、銀イオンで衣類を抗菌コートする「エアウォッシュプラス」を搭載しました。

 

エアウォッシュプラスは熱とUVライトで除菌・消臭し、温風とミストでシワを伸ばして風合いよく仕上げたあと、ドラムを揺らして衣類を動かしながら銀イオンのミストを噴霧し、抗菌コートをするというものです。

↑本体上部に内蔵する銀イオン抗菌水生成ユニット

 

「エアウォッシュプラスの抗菌水コースを選択することで銀イオン抗菌水生成ユニット内で最適な濃度の抗菌水を生成。これを衣類に噴霧することで抗菌する仕組みになっています。検証結果では、48時間後も抗菌コートが持続することを確認しております」(内藤氏)

↑発表会ではエアウォッシュプラスの抗菌25分コースで仕上げたばかりのダウンコート(写真左)と、何もしていないダウンコート(写真右)が登場。そのふわふわ感に町田さんも驚いていました

 

↑エアウォッシュプラスをかけたもの(写真左)とかけていないもの(写真右)。肉眼では違いが分かりません

 

↑ブラックライトを当てると、エアウォッシュプラスをかけていないもの(写真右)は繁殖した菌が光って見えます

 

抗菌コートは衣類乾燥後に消臭・除菌・抗菌コートまで行う「標準80分コース」と、洗濯乾燥を行わずに抗菌コートだけ行う「抗菌25分コース」を用意しています。

↑エアウォッシュプラスは帽子やクッション、ぬいぐるみなど、洗えないもしくは洗うと型崩れしてしまうようなものに使えます

 

メンテナンス機能としては、従来モデルでも搭載している「乾燥フィルター自動おそうじ」機能に加えて、洗濯のたびに洗濯・脱水槽の除菌と黒カビ抑制をする「カビケア槽自動おそうじ」機能、脱水終了後に槽内を1時間ヒートポンプ乾燥する「らくらく槽乾燥」機能を新たに搭載しました。

 

大容量ながらコンパクト、洗濯物のシワを抑えてキレイに仕上げるほか、液体洗剤・柔軟剤自動投入機能や抗菌機能、自動おそうじ機能など多くの機能を搭載した「まっ直ぐドラム 2.0」。ニーズが増大するドラム式洗濯乾燥機のなかでも有力な選択肢になりそうです。