血糖値が「上がる」かもしれないものはどれ?

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 昨今、お菓子やジュース、ビール、パスタ、パンなどあらゆる食品で見かけるようになった「糖質ゼロ」「糖質オフ」「糖質カット」といった表示。血糖値を気にしている人からすれば、どれも心をひかれる表示だと思いますが、実はこの中に、血糖値が「上がる」可能性のあるものが潜んでいることをご存知でしょうか。

 正しく知っておきたい「糖質ゼロ」「糖質オフ」「糖質カット」の違いについて、著書に「血糖値を自力で下げるやり方大全」(フォレスト出版)がある、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」も異なる

Q.ずばり、「糖質ゼロ」「糖質オフ」「糖質カット」の中で、血糖値が上がる可能性のあるものはどれですか。

市原さん「炭水化物は『糖質+食物繊維』ですが、血糖値を上げるのは糖質です。食物繊維は血糖値を上げません。

『糖質ゼロ』『糖質オフ』『糖質カット』の中で、血糖値を上げる可能性があるのは『糖質オフ』と『糖質カット』です」

【糖質ゼロ】

100グラム当たり0.5グラム未満の場合、「糖質ゼロ」と表示できます。糖質0.5グラムは血糖値にほとんど影響しないため、血糖値を気にせずに食べても問題ありません。

【糖質オフ・糖質カット】

「糖質オフ」は、“糖質が控えめ”であることは伝わる表示ですが、どの程度少ないのかは分かりにくいです。例えば、「糖質50%オフ」などの表現であれば参考になりますね。「糖質カット」も同様です。

なお「糖類オフ」の基準はありますが、「糖質オフ」の基準は定められていません。よって、栄養成分表示の「糖質」または「炭水化物」の表記を確認して参考にするしかありません。

Q.ちなみに、中には「糖類」の表示も見受けられますが、例えば「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」はどう違うのでしょうか。

市原さん「『糖類』とはブドウ糖や砂糖のことです。つまり、『糖類ゼロ』であればブドウ糖や砂糖は使われていませんが、その他の糖質が含まれていることがあり、血糖値に影響します。一方、『糖質ゼロ』は糖質そのものが含まれていないので、血糖値には影響しません」

Q.日頃、血糖値を気にしている人が、糖質が含まれない食品を正しく選ぶためのポイントとは。

市原さん「一般的に、『糖類ゼロ』と書かれているものには糖質が含まれていることが多いです。『糖質カット』や『糖質オフ』にも、実際は糖質が含まれます。

血糖値を気にするのであれば、『糖質ゼロ』を選ぶと間違いありません。栄養成分表示に記載してある糖質や炭水化物の量を確認する癖をつけましょう」