「セカンドレイプの町」元草津町議の"性被害一部虚偽"で当事者団体が謝罪「多くの人を傷つける表現だった」
群馬県草津町の黒岩信忠町長から性被害にあったと主張していた元町議の新井祥子氏が前橋地裁でおこなわれた民事裁判の中で、レイプは虚偽だったことを認めたと朝日新聞などが報じたことを受け、新井氏を支援していた性被害の当事者団体「一般社団法人Spring」は12月5日、支援を撤回したうえで謝罪した。
騒動の中で、団体の初代代表理事が「レイプの町草津」などとSNSで発信したのちに「セカンドレイプの町草津」に訂正したが、団体としていずれも「行き過ぎた表現」だったとして、黒岩町長や草津町の関係者に対して「お詫び申し上げます」とした。
⚫︎「草津フラワーデモに連帯したことを撤回します」
新井氏は町議だった2019年、町長室で性被害を受けたなどと公表した。その後、黒岩町長は刑事告訴し、前橋地検は新井氏を名誉毀損と虚偽告訴の罪で在宅起訴している。
草津町では2020年12月、新井氏のリコールの賛否を問う住民投票が実施されて、賛成多数で新井氏は失職した。
このリコールに抗議する「草津町フラワーデモ」が2020年12月におこなわれ、SpringはSNSにおいて「草津町フラワーデモに連帯します」と表明した。
団体は、次のように謝罪した。
「虚偽のレイプ加害を訴えられた草津町町長黒岩信忠様におかれましては、この間の心労・苦痛はいかばかりであったかと存じます。
性暴力の虚偽の訴えは、名指しされた方の人生を大きく狂わせる人権侵害であり、そのような人権侵害行為を行った元町議の女性に、当団体が連帯の意思を表明したことについて、ここに撤回し、ご迷惑をおかけした皆様に、お詫び申し上げます」
また、「セカンドレイプの町草津」などの表現についても、「草津町に住まわれる方だけでなく関係する多くの方を傷つける表現であった」として、「当団体として率直に認め、これについて連帯の意思を表明したことについて撤回し、草津町町長黒岩信忠様及び草津町並びに関係者の皆様に対し、重ねてお詫び申し上げます」としている。
団体は11月、性犯罪の規定を見直す刑法改正に取り組んだとして、東京弁護士会から人権賞が授与されている。