かわいいグリーンのミニPC「Minisforum UN1265」レビュー - Core i7-12650H搭載で高コスパ
ミニPCを得意とするMinisforumから発売されている、モバイル向けの第12世代Intel Coreプロセッサを搭載した「Minisforum Venus Series UN1265」(以下、UN1265)が編集部から送られてきたので、レビューします。
忙しい方向けにまとめておくと、同じCPUを搭載したモデルから、用途によっては不要な部分を排除したことで価格を抑えた点がポイント。性能と価格のバランスがさらに引き上げれ、高コスパなミニPCに仕上げられていました。
Minisforum Venus Series UN1265。Core i7-12650Hを搭載し、最上位の構成でも8万円以下で購入可能
1世代前のCPUを搭載することで低価格を実現
UN1265は、メモリ・SSD・OSライセンス別売りのベアボーンキットか、これらが含まれた完成品から選ぶことができます。執筆時点では公式サイトで割引が実施されており、構成別の価格は以下の通りです。
第13世代ではなく第12世代のCPUを搭載しているということもあってか、最上位の構成が割引なしでも8万円以下で買えてしまいます。メモリやストレージ、OSが最初からついていると考えれば、ベアボーンキットと比べると完成品のほうが圧倒的に安く感じます。
現在、DDR4メモリとPCIe 4.0対応のM.2 SSDは入手もしやすく価格もこなれていますが、そこにOSライセンス代も必要と考えると普通に使う分には完成品で十分でしょう。ベアボーンキットは、メモリを最大容量の64GBにしたい、より高速・大容量のSSDを搭載したいというこだわりのある人向けですね。
なお、今回レビューしたのはメモリ32GB+SSD 512GBのモデルでした。実機を確認したところ、メモリモジュールはWoopositという中華メーカー製(DRAMはSK hynix製)のDDR4-3200 16GB×2枚、SSDはKingston製でした。初めて見るメーカーのメモリでしたが、しばらく使っていて特段問題が起きたことはなかったです。
外装は珍しいくすみグリーン。内部へのアクセスはやや煩わしい
開封して製品の外観や付属品をチェックしてみましょう。
本体サイズは約129.6×127.8×54.3mmと、モバイル向けプロセッサを搭載するミニPCとしては標準的なサイズです。カラーはシルバーとグリーンの2色展開。外装は樹脂製で高級感はあまりありませんが、価格を考えれば妥当でしょう。外装のグリーンは昨今はやりの“くすみカラー”のようで、シックで目立たない印象です。
内部へのアクセスは、底面四隅のテープ固定されているゴム足を外すと現れるネジを外し、底面パネルを取り外すことで行えます。底面パネルは背面部分も繋がったL字になっていて、やや取り外しはしづらいなと感じました。Minisforumにはツールを使わずワンタッチで内部にアクセスできるモデルもあるので、そこは残念です。
インターフェースは前面にUSB Standard-A(USB 3.2 Gen2)が2ポート、背面のUSB Type-CはUSB 3.2 Gen2、DisplayPort Alt Mode、USB PDに対応します。USB PD対応のACアダプタで給電できるのはもちろん、対応しているモニターであればUSBケーブル1本で電源供給と映像出力が可能です。
パッケージは非常にシンプル。無垢のダンボールにロゴなどが印刷されているだけのように見えます
同梱物はPC本体、ACアダプタ、HDMIケーブル、VESAマウント用金具、2.5インチSATA HDD/SSD増設用ケーブル、取扱説明書
本体サイズは約129.6×127.8×54.3mmとコンパクト。重量は実測で537g
前面にはUSB Standard-A(USB 3.2 Gen2)×2、3.5mmオーディオジャックを備える。電源ボタンの右側の穴はCMOSクリアボタン
背面にはUSB Type-C(USB3.2 Gen2、DP Alt、PD対応)、HDMI、有線LAN(2.5Gbps)、DisplayPort、USB Standard-A(USB 2.0)×2
両側面にはメッシュ状の通気口があります
底面の四隅にあるゴム足を外して現れるネジを外し、底面カバーを取り外すことで内部にアクセスできる。
内部では無線LANカードやメモリの存在を確認できる。上に見える黒いヒートシンクの下にM.2 SSDがある。2.5インチSSD/HDDも別途増設可能
第12世代Intel Core i7-12650Hの性能をチェック!
UN1265は第12世代Intel CoreプロセッサのCore i7-12650Hを搭載しています。モバイル向けながらも性能重視であるHシリーズで、CPUは10コア16スレッド(Pコア6基+Eコア4基)、内蔵GPUの実行ユニット数は64EUとなっています。
ベンチマークソフト「CINEBENCH R23」と「CINEBENCH 2024」の計測結果
ベンチマークソフト「PCMark10」の計測結果
CPU性能だけでいえば1〜2世代ほど前のデスクトップ向けCPUと同等かそれ以上の性能を発揮してくれます。実際に使ってみても、OS起動や各種アプリケーションの起動、ブラウジング、Officeなどの利用だとサクサクと快適に動いてくれます。
内蔵グラフィックス、それも前世代のIntel UHD Graphicsということもあってゲーム性能は控えめ。画質が重要にはならない、カジュアルゲームをプレイする程度と考えたほうがいいでしょう。
ただ、4Kモニターやマルチディスプレイ環境といった利用は快適に行えました。ゲームを除く一般的な用途での利用であれば、ストレスなくこなしてくれます。
3DMark(Night Raid)の計測結果
3DMark(Fire Strike)の計測結果
3DMark(Time Spy)の計測結果
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」では、フルHD・標準品質で「やや快適」という結果に
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」では、フルHD・軽量品質で「やや重い」という結果に
メモリこそDDR4ですが、SSDにはPCIe4.0の高速な規格が採用されています。今回レビューしたモデルにはKingston製の「OM8PGP4512Q-A0」という型番のSSDが搭載されていました。
CrystalDiskMarkで速度を計測したところ、シーケンシャルリードで約4,800MB/s、シーケンシャルライトで約3,500MB/sという結果に。PCIe4.0のSSDとしては特段高速というわけではありませんが、実用では十分速いですし、最初から搭載されていると考えれば少しも不満はありません。
CrystalDiskMarkの計測結果
安さと性能に極振りした強みがある
MinisforumのCore i7-12650Hを搭載したミニPCには他に「UNB6」というモデルがあり、それと比べると有線LANが2つから1つに、映像出力がHDMI×2+USB Type-C×2の4画面出力からHDMI+DisplayPort+USB Type-Cの3画面出力に、4つあるUSB Standard-AがUSB 3.2 Gen2×4からUSB 3.2 Gen2+USB 2.0×2とポート類が省略されています。また、本体が金属製から樹脂製になりやや質感は劣っています。
代わりに価格はUN1265のほうが約1万円程度安くなっています。拡張性を取るか価格を取るかという感じですが、一般的な用途であればUN1265で十分かなと思います。
価格と性能のバランスがとれた、満足度の高い製品だと感じました。
忙しい方向けにまとめておくと、同じCPUを搭載したモデルから、用途によっては不要な部分を排除したことで価格を抑えた点がポイント。性能と価格のバランスがさらに引き上げれ、高コスパなミニPCに仕上げられていました。
1世代前のCPUを搭載することで低価格を実現
UN1265は、メモリ・SSD・OSライセンス別売りのベアボーンキットか、これらが含まれた完成品から選ぶことができます。執筆時点では公式サイトで割引が実施されており、構成別の価格は以下の通りです。
第13世代ではなく第12世代のCPUを搭載しているということもあってか、最上位の構成が割引なしでも8万円以下で買えてしまいます。メモリやストレージ、OSが最初からついていると考えれば、ベアボーンキットと比べると完成品のほうが圧倒的に安く感じます。
現在、DDR4メモリとPCIe 4.0対応のM.2 SSDは入手もしやすく価格もこなれていますが、そこにOSライセンス代も必要と考えると普通に使う分には完成品で十分でしょう。ベアボーンキットは、メモリを最大容量の64GBにしたい、より高速・大容量のSSDを搭載したいというこだわりのある人向けですね。
なお、今回レビューしたのはメモリ32GB+SSD 512GBのモデルでした。実機を確認したところ、メモリモジュールはWoopositという中華メーカー製(DRAMはSK hynix製)のDDR4-3200 16GB×2枚、SSDはKingston製でした。初めて見るメーカーのメモリでしたが、しばらく使っていて特段問題が起きたことはなかったです。
外装は珍しいくすみグリーン。内部へのアクセスはやや煩わしい
開封して製品の外観や付属品をチェックしてみましょう。
本体サイズは約129.6×127.8×54.3mmと、モバイル向けプロセッサを搭載するミニPCとしては標準的なサイズです。カラーはシルバーとグリーンの2色展開。外装は樹脂製で高級感はあまりありませんが、価格を考えれば妥当でしょう。外装のグリーンは昨今はやりの“くすみカラー”のようで、シックで目立たない印象です。
内部へのアクセスは、底面四隅のテープ固定されているゴム足を外すと現れるネジを外し、底面パネルを取り外すことで行えます。底面パネルは背面部分も繋がったL字になっていて、やや取り外しはしづらいなと感じました。Minisforumにはツールを使わずワンタッチで内部にアクセスできるモデルもあるので、そこは残念です。
インターフェースは前面にUSB Standard-A(USB 3.2 Gen2)が2ポート、背面のUSB Type-CはUSB 3.2 Gen2、DisplayPort Alt Mode、USB PDに対応します。USB PD対応のACアダプタで給電できるのはもちろん、対応しているモニターであればUSBケーブル1本で電源供給と映像出力が可能です。
パッケージは非常にシンプル。無垢のダンボールにロゴなどが印刷されているだけのように見えます
同梱物はPC本体、ACアダプタ、HDMIケーブル、VESAマウント用金具、2.5インチSATA HDD/SSD増設用ケーブル、取扱説明書
本体サイズは約129.6×127.8×54.3mmとコンパクト。重量は実測で537g
前面にはUSB Standard-A(USB 3.2 Gen2)×2、3.5mmオーディオジャックを備える。電源ボタンの右側の穴はCMOSクリアボタン
背面にはUSB Type-C(USB3.2 Gen2、DP Alt、PD対応)、HDMI、有線LAN(2.5Gbps)、DisplayPort、USB Standard-A(USB 2.0)×2
両側面にはメッシュ状の通気口があります
底面の四隅にあるゴム足を外して現れるネジを外し、底面カバーを取り外すことで内部にアクセスできる。
内部では無線LANカードやメモリの存在を確認できる。上に見える黒いヒートシンクの下にM.2 SSDがある。2.5インチSSD/HDDも別途増設可能
第12世代Intel Core i7-12650Hの性能をチェック!
UN1265は第12世代Intel CoreプロセッサのCore i7-12650Hを搭載しています。モバイル向けながらも性能重視であるHシリーズで、CPUは10コア16スレッド(Pコア6基+Eコア4基)、内蔵GPUの実行ユニット数は64EUとなっています。
ベンチマークソフト「CINEBENCH R23」と「CINEBENCH 2024」の計測結果
ベンチマークソフト「PCMark10」の計測結果
CPU性能だけでいえば1〜2世代ほど前のデスクトップ向けCPUと同等かそれ以上の性能を発揮してくれます。実際に使ってみても、OS起動や各種アプリケーションの起動、ブラウジング、Officeなどの利用だとサクサクと快適に動いてくれます。
内蔵グラフィックス、それも前世代のIntel UHD Graphicsということもあってゲーム性能は控えめ。画質が重要にはならない、カジュアルゲームをプレイする程度と考えたほうがいいでしょう。
ただ、4Kモニターやマルチディスプレイ環境といった利用は快適に行えました。ゲームを除く一般的な用途での利用であれば、ストレスなくこなしてくれます。
3DMark(Night Raid)の計測結果
3DMark(Fire Strike)の計測結果
3DMark(Time Spy)の計測結果
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」では、フルHD・標準品質で「やや快適」という結果に
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」では、フルHD・軽量品質で「やや重い」という結果に
メモリこそDDR4ですが、SSDにはPCIe4.0の高速な規格が採用されています。今回レビューしたモデルにはKingston製の「OM8PGP4512Q-A0」という型番のSSDが搭載されていました。
CrystalDiskMarkで速度を計測したところ、シーケンシャルリードで約4,800MB/s、シーケンシャルライトで約3,500MB/sという結果に。PCIe4.0のSSDとしては特段高速というわけではありませんが、実用では十分速いですし、最初から搭載されていると考えれば少しも不満はありません。
CrystalDiskMarkの計測結果
安さと性能に極振りした強みがある
MinisforumのCore i7-12650Hを搭載したミニPCには他に「UNB6」というモデルがあり、それと比べると有線LANが2つから1つに、映像出力がHDMI×2+USB Type-C×2の4画面出力からHDMI+DisplayPort+USB Type-Cの3画面出力に、4つあるUSB Standard-AがUSB 3.2 Gen2×4からUSB 3.2 Gen2+USB 2.0×2とポート類が省略されています。また、本体が金属製から樹脂製になりやや質感は劣っています。
代わりに価格はUN1265のほうが約1万円程度安くなっています。拡張性を取るか価格を取るかという感じですが、一般的な用途であればUN1265で十分かなと思います。
価格と性能のバランスがとれた、満足度の高い製品だと感じました。