小道具で炎上、ジョーカー禁止…ハロウィンをめぐる悲喜こもごも

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3ヵ月以上にわたってハリウッドで続いているSAG-AFTRA(全米映画俳優組合)によるストライキが、ハロウィンの仮装にも影響を与えていたことは先日当サイトでもお伝えした通り。今年はそれもあって、仮装をめぐって様々な事態が起こる結果になった。米Varietyなど複数のメディアが伝えている。

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組合からのお達しであの二人は仮装自粛

突然破産してしまったセレブ一家が、かつて冗談半分で購入していた田舎町シッツ・クリークのおんぼろモーテルで繰り広げる日常を描いたコメディドラマ『シッツ・クリーク』で、モーテルの受付スティービー・バッドを演じていたエミリー・ハンプシャーは、ハロウィンで自分と友人がジョニー・デップとアンバー・ハードの仮装をしたことについて謝罪した。エミリーは仮装の画像をSNSに投稿するも、批判を受けて削除。その画像でのエミリーは、ジョニーに扮してフェイクタトゥーを入れた上、彼が元妻アンバーに対して起こした2022年の名誉毀損裁判で着ていたものに酷似したスーツを身に着けていた。特に問題視されたのが、エミリーが持っていた小道具。その裁判で話題になった「ベッドに残された排泄物」を彷彿させる、おもちゃの排泄物を小道具として手に持っていたのだ。

エミリーは謝罪文の中で、「私がこれまでしてきたことの中で、最も軽率で、無神経で、無知なことの一つであることに対処します。ハロウィンにジョニー・デップとアンバー・ハードのコスプレをしたら面白いだろうなんてバカなことを考えました。あんな酷いものを世に出してしまったことを深く反省するとともに恥じています。ドメスティック・バイオレンスは決して面白いものではありません。現実に生きている人が直面している問題であり、自分の行動を心から後悔しています。今後は言動を改めます。本当にごめんなさい」と綴った。ジョニーとアンバーの裁判の主題は虐待だったため、エミリーの仮装はそれを軽んじているとして広く反発を受けていた。

また、音楽プロデューサー/ラッパーのショーン・コムズことディディは、昨年のハロウィンではジョーカーに扮していたが、その後に“ジョーカー禁止令”を出されたとして、今年は別のアメコミキャラに扮している。「去年ワーナー・ブラザースから、もうジョーカーになるな、商標違反だと、たくさんのメールをもらった」とハロウィン当日に投稿した動画の中で、紙の束を扇ぎながら話し始めたディディ。そして「そっちの勝ちだ。今年はジョーカーになるつもりはない」と続けた。

ヒップホップの殿堂入りを果たしている彼は、クリストファー・ノーラン監督の映画『ダークナイト』に登場するジョーカーの宿敵、ブルース・ウェイン/バットマンが所有する天井の低い武器庫を舞台にしたような動画を、先の投稿の数時間後にアップした。映画の予告編を思わせるその映像には、同作に出てきたバットモービル(タンブラー)のようなものの上に、クリスチャン・ベイル扮するダークナイトと思われる人物が乗っている。だが近づくにつれ、それはディディが扮した姿であることが明らかに。

映画にインスパイアされたと思われる一連のシーンは、同作で使われていた音楽によく似たサウンドとともに続き、ストライキをネタにした内容に。バットマンに扮したディディが、スタジオの重役らしき男性(近くにオスカー像が2つ置いてある)のオフィスに侵入し、無理やりその男性に"ストライキは終わった"と言わせる。プロデューサーらしき男はその後に服を剥ぎ取られ、猿ぐつわをされ、意識を失ったまま、こう書かれた看板のあるオフィスビルの前に放置される。「ストライキは終わった! 愛をこめて、ダーケスト・ナイト」

その後、バットマンに扮したディディが、一般人とともにハロウィンの夜を歩いて回る動画もSNSに投稿されている。このことでワーナー・ブラザースから警告が出されるかどうかは不明だ。

一方、毎年ハロウィンの仮装姿を披露してきた『バフィー〜恋する十字架〜』のサラ・ミシェル・ゲラーは、今年は自粛することを表明。「いつもならハロウィンのカップル写真を投稿する時期なのですが、ストライキが続いているため、特製のコスチュームは破棄せざるを得ませんでした」と、10月31日(火)に投稿したInstagramで綴っている。「だから、もしあなたが今夜トリック・オア・トリートに出かけて、とてもリアルなサラ・ミシェルと(夫である)フレディ(・プリンス・Jr)を見かけたら…それは仮装していない私たち自身かもしれません。また来年お会いしましょう」と述べた。

先月、SAG-AFTRAは組合員に対して公式声明を発表、映画やTVの作品に関連したハロウィン・コスチュームを着用することで、ストライキを台無しにしないよう呼びかけた。その代わりとして、組合は一般化されたキャラクターや人物(ゴースト、ゾンビ、クモなど)を元にしているコスチュームで仮装するよう奨励していた。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Variety、米TMZ、米Deadline、英Digital Spy