海の食物連鎖の頂点に君臨するといわれるサメ。そんな最強の存在であるはずのサメが、オーストラリアの浜辺で、身体を食いちぎらた状態で打ち上げられていたのです。誰の仕業か? 同国の政府機関が調査を始め、ある生き物の名前が浮上しました。

↑無残な姿で見つかったホホジロザメの死骸(画像提供/Sky News/YouTube)

 

ホホジロザメの死骸が見つかったのは、ビクトリア州ケープ・ブリッジウォーターの浜。地元の人が見つけたとき、このサメの身体は半分ほど引き裂かれていたそう。このニュースを報じた動画を見ても、サメの頭部は残っていますが、下半身は原型をとどめていないことが分かります。

 

海の中で最強の存在ともいわれるサメに、これほどのダメージを与えたのは一体何者なのか? その答えを明らかにするために、ホホジロザメの死骸は政府機関に送られることになりました。

 

フリンダース大学のマイヤー博士は、「まだ100%明らかではないが、シャチがサメの肝臓を食べるために、サメを攻撃した可能性が高い」と話しています。

 

マイヤー博士によると、シャチは食べ物の好き嫌いが多いのですが、ホホジロザメやアオザメ、イタチザメの肝臓を好むそう。マンボウやジュゴンの腸も好きなのだとか。

 

さらに、サメの死骸が見つかったポートランド周辺の海は、ホホジロザメが多く生息する海域で、シャチが獲物を狙う場所。そのため、今回見つかったサメは、シャチの群れに襲われて内臓を食べられた可能性があるというわけです。

 

サメ対シャチの対決は、シャチに軍配が上がるのかもしれません。

 

【主な参考記事】

ABC News. Killer whale attack suspected as great white shark carcass washes up on Victoria’s coast. October 17 2023