10月19日(木)にスタートする新ドラマ『帰ってきたらいっぱいして。』(読売テレビ 毎週木曜 深夜0時54分〜)で、Aぇ! groupの小島健さんとW主演を務める浅川梨奈さん。“ちょっと刺激的”な妄想シーンも話題を呼んでいるドラマで、崖っぷちのアラサーTL(ティーンズ・ラブ)漫画家・朱音を演じる彼女の役作りはもちろん、プライベートも垣間見れる友人とのエピソードも教えてくれました。

 

浅川梨奈●あさかわ・なな…1999年4月3日生まれ。埼玉県出身。16年、映画『14の夜』にて長編映画デビューし、翌17年公開の『人狼ゲーム マッドランド』では初主演を務める。そのほか『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』(19・21年)、『胸が鳴るのは君のせい』(21年)、『KAPPEI カッペイ』(22年)、『おとななじみ』(23年)などの話題作に出演。近年のドラマ出演では、「親愛なる僕へ殺意をこめて」「大病院占拠」などに出演。X(旧Twitter)/Instagram

 

【浅川梨奈さん撮り下ろし写真】

 

30代、40代の友だちから人生相談をされることも多いです

──とても意味深なタイトルを聞いたときの率直な感想は?

 

浅川 やっぱり、すごいタイトルだなと思いました(笑)。個人的に、TL(ティーンズ・ラブ)漫画の実写化の出演は初めてでしたし、そういうシーンもいっぱいあるのは分かりつつ、「一体どこまで、どう描くんだろう?」っていう気持ちでいっぱいでした。

 

──現在24歳である浅川さんが、アラサー女性を演じることについては?

 

浅川 私自身は、アラサーの役を演じることに違和感なかったんですけど、こういう取材とかで結構聞かれることが多いので逆に驚いています。これまで実年齢より上の設定の役どころを演じることが多かったですし、私生活でも「20代の精神年齢じゃない!」って言われ続けてきたし、実際に制服を着る機会がどんどん減ってきているんですよ(笑)。ただ、原作の33歳設定はさすがに無理があると思ったので、ドラマでは30歳の設定ということになりました。

 

──「20代の精神年齢じゃない!」と言われる理由は?

 

浅川 基本、同世代の友だちがあまりいなくて、年上の方が多いからだと思うんですけれど、気づけば30代、40代の友だちから人生相談をされることも多いんです。撮影現場でも「本当に24歳?」と聞かれますし。早く大人になりたかったこともあって、実は昔からキャピキャピしているように見えて、かなりドライな性格だったんです(笑)。

 

ここまでゼロベースで役作りしたのは、久しぶり

──原作・脚本を読んだうえでの朱音の役作りは?

 

浅川 脚本を読ませていただいてから原作を読んだのですが、「あら、すごい」と思いました(笑)。これまではわりと自分と共通点がある役が多かったので、「ここが似ているよね」というところから繋ぎ合わせていくことが多かったんですが、今回の朱音ちゃんは本当に自分と似ているところがなかったんです。だから、原作を読み込んで、キュンキュンするポイントや、「これ、ときめくな」と思った部分などから自分が共感・同情できる部分を見つけて、それを台本と照らし合わせるところから役を作っていきました。ここまでゼロベースで役作りしたのは、久しぶりで、だからこそ客観的に役を見ることができたと思います。コミカルな芝居のさじ加減に関しても悩んでいたんですが、現場に入って編集長役の中村中さんに助けていただきました。

 

──ちなみに、浅川さんには朱音のような妄想癖はありますか?

 

浅川 私、現実主義なんで、妄想しないんです。好きなことになると、それしか見えなくなる仕事人間みたいなことは、朱音ちゃんと通ずる部分はあるかもしれませんが、根本的な性格は、全く違いますね。オドオドしたり、キョドったりもしないので、全くかわいらしくないです(笑)。あと、漫画家としては崖っぷちな設定だったので、これも悩みました。私の周りの崖っぷちな人って、「結婚どうしよう」って、焦っている人ですから、ちょっと違うんです。

 

──世界が変わるようなキスシーンがある「第1話」から、少女漫画原作とは異なる濃厚なラブシーンを演じてみていかがでしたか?

 

浅川 少女漫画って、女の子が「男の子に、こういうふうにされたい」っていう夢だったり、憧れの塊だと思うんですけど、TL漫画って、そこにリアリティがプラスされて、ちょっと濃厚な描写もあると思うんです。今回は、そのリアルな部分をコミカルな演出を強めて描いているので、私も抵抗なくできましたし、皆さんにも笑いながらツッコんでもらえる仕上がりになったと思います。後半の展開になるにつれて、普通にキュンキュンする直哉(小島健)くんと朱音ちゃんのシーンも、複雑な心情のドラマも描かれますし、いろんな楽しみ方してもらえるかなと思っています。

 

朱音ちゃんと直哉を温かく見守ってほしい

──劇中、年下男子を演じる直哉役の小島健さんは、実年齢では同い年ですね。

 

浅川 小島さんとは同い年なうえ、B型同士で、芸歴も同じなんですよ! 最初は「自分が果たして、小島さんの年上に見えるのか?」ということが不安だったのですが、実際の小島さんは、どこか直哉にも通じるとても少年のような方だったので、そこに乗っかって、なんとか乗り切りました(笑)。あと、見た目でどうにかするというよりは、「ここぞ!」というときに、直哉を包み込んであげる優しさや温かさを出せることで、朱音ちゃんが年上であることを出せるよう心がけました。

 

──どんどん進んでいく朱音と直哉の関係も気になるところです。

 

浅川 「第1話」と「第2話」で、ハラハラドキドキがスピーディーに連続していき、朱音ちゃんの女性としてのちょっとした成長と直哉の心情の変化がある「第3話」。そこで一旦ピークを迎えた後、お互いがお互いの気持ちに気づき始め、お互いのライバルが現れて、という盛りだくさんの展開になっていくので、そんな朱音ちゃんと直哉を温かく見守ってほしいです。私自身も撮影しながら、「これ、とんでもないドラマなるな」って思っていたので、楽しんで見ていただけるんじゃないかなと思います!

──さて、劇中には朱音の心の支えとして、初めてもらったファンレターが登場します。浅川さん自身も、そのようなエピソードはありますか?

 

浅川 ファンの方たちが赤い台本カバーをプレゼントしてくれたんです。そこには「not alone(一人じゃない)」と印字が入っていたんですが、新しい道に進むことに不安も感じていたので、とても大きな励みになりました。今でも、ずっと大事に使っています。

 

求められたもの以上のお芝居ができる女優さんに

──グループを卒業されて4年。女優としての今後の展望も教えてください。

 

浅川 この作品をやれたので、「もう怖いものはないな!」って思っているんです。いわゆる挑戦的なシーンもありつつ、感情のお芝居をすることも大変だったので。最終話のラストシーンを撮る前日、原作を読み直して、台本も第1話から読み直しました。そういうこともやりつつ、いろんなお芝居もできた学びある現場であったので、かなり自信がつきました。今後も求められたもの以上のお芝居ができる女優さんになれるよう頑張りたいです。あとは、もう一度高校生役やりたいですね。あと、1回くらい(笑)。

 

──いつも現場に持っていくモノやアイテムを教えてください。

 

浅川 「この現場ではこのゲームする」とか、「この現場ではこの曲聴く」とか、現場ごとに自分のブームが変わるんです。皆さんと会話が多い現場だと食べ物になって、会話が少ない現場だとゲームになりがちなんですが(笑)、今回の現場に関しては、グミとチョコです。それを毎日カバンに入れて、ちょっとした撮影の空き時間とか、集中できなくなったときに食べていました。

 

 

ドラマDiVE「帰ってきたらいっぱいして。」

2023年10月19日(木)より、毎週木曜0:54〜読売テレビにて放送
放送後TVer見逃し配信あり

【ドラマDiVE「帰ってきたらいっぱいして。」よりシーン写真】

(STAFF&CAST)
原作:ましい柚茉「帰ってきたらいっぱいして。〜アラサー漫画家、年下リーマンに愛でられる〜」(小学館『&フラワー』)
監督:澤田育子、高橋雄弥
脚本:下亜友美、澤田育子、湯田美帆
出演:小島 健、浅川梨奈、宮崎秋人、西原誠吾、めがね、辻 凪子、しゅはまはるみ、中村 中、神尾 佑

(STORY)
一流企業勤めのイケメンエリートだが、女癖が悪いクズ男の高城直哉(小島)。いっぽう、TLマンガ家のアラサー女性・福永朱音(浅川)は、恋愛経験が少ないためネタに行き詰まり中だった。ひょんなことから直哉は、朱音の“参考資料”という役目を請け負うことになり、2人で刺激的な同居生活を始めることになる。

公式サイト:https://www.ytv.co.jp/kaeshite/

(C)ましい柚茉/小学館/「帰ってきたらいっぱいして。」製作委員会

 

撮影/干川 修 取材・文/くれい響 ヘアメイク/石川ユウキ(Three PEACE) スタイリスト/郄橋美咲(Sada I suud) 衣装協力/シー ニューヨーク、シースキー