ウーバーイーツ配達員にとってお笑い賞レースはガッポリ稼げる夢の時間！【チャリンコ爆走配達日誌】
ウーバーイーツ配達員にとって、お笑い賞レースはものすごく稼げる夢の時間！
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第19回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります！
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いよいよ10月21日に放送される「キングオブコント」。今年の決勝に勝ち残ったのは、ゼンモンキー、隣人、ファイヤーサンダー、カゲヤマ、サルゴリラ、ラブレターズ、蛙亭、ジグザグジギー、や団、ニッポンの社長の10組ですが、どのユニットが優勝するか楽しみですね。
「キングオブコント」のあとは年末の「M-1グランプリ」の決勝戦。ウーバーイーツ配達員の私にとってワクワクする季節となりました。
ワクワクする理由は、お笑いが好きという理由だけではありません。配達でものすごく稼げるからです。
ウーバーイーツ配達員の仕事は、働きたくなったらアプリをオンにして、やめたくなったらアプリをオフにするだけ。スキマ時間に自由に稼ぐことができるので、急に仕事が入ることのある若手芸人の方がたくさん配達員として働いています。
その若手芸人の方々がお笑い賞レースの決勝戦が放送される時間になると、自分達が目標とする大会の決勝戦を見て勉強するためか、一斉に配達をやめてしまいます。さらに先輩と一緒にテレビを見るパターンも多く、放送前にはウーバーでピザなどを注文する芸人のグループが増えます。
以前、「予告なしに収入が下がる!? ウーバーイーツ配達員の報酬システム」で書いたように、配達員がもらえる配達料は、配達依頼の数とスタンバイしている配達員の人数のバランスで決められています。
お笑い賞レース決勝の日は、もともと配達依頼の多い土日の夜。そこに若手芸人のテレビ鑑賞による配達員不足と、芸人グループによる注文増が重なるので、配達料、注文依頼ともにものすごく増えます。
私の場合、普段は土日の夜5時間で5000円から7000円ぐらい稼ぐのですが、昨年のM-1グランプリ決勝の日は5時間で1万5000円ほど稼ぎました。
普段配達している日本橋、銀座エリアでこれだけ稼げたので、今年は若手芸人の方がたくさん住んでいるといわれる高円寺、中野エリアで稼いでみようと思います。
このようにピンポイントで稼げるタイミングもありますが、都内には自転車配達員だからこそ稼げるエリアもあります。
自転車配達員の配達料が下がったため、最近はウーバーイーツ配達員の間でバイクか軽自動車でやらないと稼げないといわれています。そんな中、自転車配達員の私が見つけたエリアは大手町。
コロナで在宅勤務が増えた時は、ゴーストタウンかと思うほど人がいなかった場所ですが、最近はコロナ前の状況に戻り、昼前になるとたくさんのキッチンカーがやってきます。
また、大手町のビルの地下には飲食街があり、11時から13時ぐらいの時間に訪れると、すぐに配達依頼が舞い込みます。なぜ配達依頼がすぐに来るのか。それは配達員が少ないから。
大手町周辺はバイクを停めておくと駐車禁止の切符を切られるリスクの高い場所。飲食店の多くはビルの地下、路上駐車して地下街の店まで取りに行き、戻ってみたら駐車違反となる危険性があるので、バイクの配達員はほとんどやってきません。同様に放置自転車の取り締まりも厳しく、自転車配達員も少なめです。
一方、私の使っているシェアサイクルは、大手町近辺に貸出、返却のできるターミナルが多いので、ビルの近くのターミナルに自転車を返却。料理を受け取った後に新たな自転車を借りれば問題ありません。
そんなわけで、注文が増えるお昼休みなどに配達料がグッと上がる大手町は、私にとって大変ありがたいエリアです。
他には荒川区の南千住、三ノ輪、町屋エリアも自転車配達員が稼げるエリアです。南千住には新しく建てられた高層マンションが多く、三ノ輪には注文依頼の多いマクドナルド、町屋には飲食店の多い商店街があります。
ただ、荒川区は一方通行や狭い路地が多く、このエリアの道に慣れていない人がバイクでやってくると迷ってしまう可能性が高い。慣れている人がやっても、一方通行のためとんでもなく遠回りさせられる可能性が高いので効率が悪い。自転車で配達しないと厳しいエリアなのでバイクの配達員が少なく、自転車配達員に配達依頼が舞い込みます。
先ほど述べたように、自転車配達員は徐々に稼げなくなってきていますが、私が配達員を始めた理由のひとつが「健康のため」。なので、今後もさまざまな時間帯、エリアで配達を行なって稼げるタイミングを探りつつ、自転車での配達を続けようと思います。
●渡辺雅史（わたなべ・まさし）
フリーライターとして雑誌や書籍への執筆をするほか、ラジオ番組やテレビの番組の構成作家としても活躍。趣味は鉄道に乗ること。国内の全鉄道路線に乗車したほか、世界20の国・地域の鉄道に乗車。
文／渡辺雅史 イラスト／土屋俊明
