KRY山口放送

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バスケットボールのワールドカップで注目された国、カーボベルデ。そのカーボベルデ出身の男性が山口大学で経済学を学びながら、母国を知ってもらう活動にも情熱を注いでいます。

カーボベルデ共和国出身のジョージ・ボルジェスさん30歳。日本のこれまでの発展モデルを学びたいと5年前に来日、山口大学大学院で経済学を学んでいます。日本に住むカーボベルデ出身者はわずか10数人で、山口県にはジョージさん一人だと言われています。

ジョージさんの故郷、カーボベルデはアフリカ大陸西側の沖に浮かぶ島国です。国土は10の島から成り立ち、その面積は滋賀県ほどで人口は約50万人です。水産業、農業、観光が主要な産業で、かつてはポルトガルの植民地であったため、公用語はポルトガル語ですが、現地のクレオール語も広く使われています。

ジョージさんは子供の頃から遠く離れた日本に親しみを感じ、日本の車メーカーやテレビゲームに興味を持って育ちました。日本語の勉強も始めていてメモを取りながら少しずつ学んでいます。

山口大学大学院をジョージさんが選んだ理由は、英語で学べる環境が整っていたからです。大学院では5年間に渡り、日本とアフリカ諸国の経済について研究、分析してきました。アフリカの貧困を減らすため、経済発展に可能性のある産業を見つける計算モデルも一から作り上げました。

また、研究だけではなく、カーボベルデの文化を日本でも知ってもらうために交流も大切にしてきました。下関市で開催された異文化を理解する講座に講師として招かれ、カーボベルデの家庭料理である「ツナライス」を教える機会も。

まずは国際機関で働いてからカーボベルデに帰国して、政府に産業政策のアドバイスを提供したいと考えているジョージさんは、山口大学大学院の博士課程を修了し、山口を離れることになりました。国際レベルの経験を積むため国連の専門機関「世界銀行」の研究員を目指して新たな一歩を踏み出しました。
日本で得た知識をカーボベルデの発展に役立て、貧困削減に貢献することを夢見るジョージさんのこれからに期待が寄せられます。