LinuxのソフトウェアエンジニアがValveをベタ褒め
ValveはLinuxディストリビューションのSteamOSを開発するなどしてLinux業界に長年貢献し続けています。こうした実績に加え、2023年9月18日にLinux Foundation EuropeのサミットでValveの話題が再燃したことを受け、Linux開発者のマイケル・ララベル氏がValveの取り組みについて改めて紹介しています。
Valve Is A Wonderful Upstream Contributor To Linux & The Open-Source Community - Phoronix
ValveはSteamOSのバージョン3.0からArch LinuxをベースにSteamOSの構築を始め、同バージョンはValveが開発した携帯ゲーム端末「Steam Deck」に採用されています。LinuxでWindows向けのゲームをプレイするために、Valveは互換ツールの「Wine」をベースとしたオープンソースツール「Proton」を開発するなど、Linuxへの貢献にとどまらずオープンソースコミュニティにも多大な価値をもたらしていると、ララベル氏は指摘しています。
Steam DeckがLinuxベースのOSを搭載していると発表された頃からValveのゲームプラットフォームであるSteamでLinuxユーザーが増加したことが確認されており、同機種発売から1年が経過した頃には観測史上初めてLinuxユーザーがmacOSユーザーを追い抜いたことも判明しています。
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ララベル氏は「Valveのエンジニアは、MesaとVulkanドライバー、そしてカーネルのグラフィックスドライバーコンポーネントに対して、数え切れないほどの改善を行ってきました。Steam Deckのハードウェアに利益をもたらすためのAMDグラフィックス・ドライバだけでなく、Zinkやその他の共通インフラにもです。Valveの貢献と彼らのパートナーの貢献は、ゲームに限らず、Linuxデスクトップのエコシステムに信じられないほど利益をもたらしました」と話しました。
Valveはまた、ProtonやMesaなどの開発に取り組む100人以上のオープンソース開発者に開発費を支払っていることも指摘されています。
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by Tamahikari Tammas
ララベル氏は「上記のほかにも、Linuxにおける大文字小文字を区別しないファイルシステムのサポート拡大、その他の様々なカーネル機能、WaylandコンポジターのGamescope、イミュータブル・ソフトウェア・アップデート、Flatpakなどの取り組みにValveが関わってきました。熱心なオープンソース/Linux愛好家にとっては驚くことではありませんが、ValveはSteam DeckとSteamOSの開発で、オープンソースのエコシステム全体を盛り上げているのです」と結びました。