建設業界の今とこれからをパネルディスカッション
9月25日放送の「L is B presents 現場DX研究所」は、9月13日に開催されたL is Bのサービス事例発表会となるユーザーカンファレンス「L is B User Conference (LUC2023)」の様子をお届けした。ゲストには、株式会社大林組 ＤＸ本部本部長室部長、ＤＸ本部生産デジタル部長の堀内英行氏、戸田建設株式会社 イノベーション戦略部課長 斎藤寛彰氏、株式会社シーティーエス 取締役 マーケティング本部部長 金井一智氏を迎え、建設業界の今とこれからについてディスカッションした。
L is B代表・横井太輔氏「皆さん、簡単に自己紹介をお願いします」
株式会社大林組・堀内英行氏「大林組生産デジタル部の堀内と申します。現場をICでT支えるという業務を10年以上やってます」
戸田建設株式会社・斎藤寛彰氏「戸田建設の斎藤と申します。私は戸田建設という準大手のゼネコンにおいてスタートアップ様との連携を促しながらイノベーションを推進していくという仕事をしております」
株式会社シーティーエス・金井一智氏「シーティーエスの金井と申します。私どもは建設業ではなく、全国の建設業のお客様に、DXに繋がるICTツールの導入支援等をさせていただいてます」
松井佐祐里アナ「建設DX元年からおよそ2年、現在までのDXの進捗状況についてお聞きします」
横井「スタートしてから数年経ってますので、状況は変わってらっしゃると思いますがいかがですか？」
金井「やはり今までよりもICTツールを活用した現場が非常に増えてきてるかなと思います。特に遠隔臨場。発注者からの要請で、現場の方の取り入れができてきてますし、最近は最近はそのネットワークカメラを活用して現場の安全管理だとか、進捗を遠隔地から管理して、チェックを入れていくいうようなことも進んできてるんじゃないかなと感じてます」
斎藤「建設業で着実にDXが進んでるとは思うんですけど、DXで大きな変化があったと感じるにはまだ早いような段階じゃないかなというのが私の感覚です。あと、建設業務のデジタル化の視点でいうと日本の建設業は遅れてるんじゃないかと思ってらっしゃる方がたまにいらっしゃるんですけど、決してそんなことはないと思ってます。実際にアメリカのこの分野の研究者の方とディスカッションした時も、日本の建設業ってデジタル化が進んでるよねみたいな意見をいただいたりします。確証はない話ではあるんですけど、日本の建設業が世界で最もDXが進んでいるというようなポジションを取りに行けるとこに来てるんじゃないかなと個人的には思ってます」
堀内「申し上げたいのは、各社さんのBIM、SIM、3Dモデルの取り組みがそろそろ生産プロセスの方にしっかりとシフトする時期に来てるんじゃないかなと思います。まだまだ現場が使うメリットは少ないかもしれないですけども、5年10年先を見据えるということを考えると、今から3Dによる生産体制の構築はもう避けて通れないんじゃないかなと思ってます。ですので、この1年、この辺りに我々も注力をして、BIMの展開というのは、並行して行っているというところです」
松井「続いて、成果が出ている成功事例はありますか？」
堀内「BIMに関して言うと私は成果出てるんじゃないかなと思います。これまでは上流工程、設計工程ではもう活用してるんじゃないかなと思うのですが生産のプロセスにおいても、なかなかツールが出ていないので自社開発に頼らざるを得ないのですが、大林組でも開発をしてまして、来年度から本格的に展開をしていこうという風に考えているところです」
斎藤「成果が出ている成功事例もちろんいっぱいありますが、建設テック協会と一般社団法人があるのですが、そこの運営にも携わっておりまして、その中でゼネコンのスタートアップの連携の担当者と建設テック系のスタートアップとベンチャーキャピタル、これらが少人数で集まって交流する機会を設けているんですけど、そこは結構盛り上がって新しい繋がりがどんどん生まれていると思っています」
金井「成功事例というところでいきますと、地場コンさんを中心に、現場の支援課という部署がどんどん出来てきている会社が増えてきたなという実感があります。ITツールを使ったり、現場のカメラの映像を確認したり、現場の状況を把握しながら、いろいろと支援をしていくプロセスが徐々にできていると実感してます」
