GoogleはモバイルOS・Androidの先行ベータ版を自社製スマートフォンのPixel向けに配信するベータプログラムを展開しており、四半期ごとに「Quarterly Platform Release」というベータ版を配信しています。2023年9月20日に、Android 14の最新ベータ版であるAndroid 14 QPR1がリリースされ、Android 14ではスマートフォンをPCに接続してウェブカメラとして利用可能になることが判明しました。

Android 14 adds support for using your smartphone as a webcam

https://www.esper.io/blog/android-14-adds-support-for-using-your-smartphone-as-a-webcam



Using Pixel as a webcam on Android 14 QPR1 is a game-changer

https://9to5google.com/2023/09/21/pixel-webcam-android-14-qpr1/

近年はリモートワークや遠隔学習、ビデオ会議などの需要が大幅に増加しており、多くの人々がZoomやMicrosoft Teamsなどのウェブ会議ツールを使用しています。そのため、自分の姿を映すために必要なウェブカメラの需要も高まりましたが、最新のウェブカメラは高価なため、多くの人々は安価なウェブカメラやPCに内蔵されたカメラを使っているとのこと。

その一方で、今や誰もが持っているスマートフォンのカメラは世間で広く使われているウェブカメラよりも高画質なため、スマートフォンをウェブカメラとして利用するサードパーティー製アプリも登場しています。新たにAndroid 14では、Android搭載スマートフォンをPCなどに接続し、簡単にウェブカメラとして使用できるようになることが明らかになりました。

Androidスマートフォンをウェブカメラとして使う方法は非常に簡単です。まずはスマートフォンをケーブルでPCに接続し、「Charging this device via USB(このデバイスをUSBで充電中)」をタップします。



すると、USBの接続モードを「ファイル転送/Android Auto(File transfer/Android Auto)」「USBテザリング(USB tethering)」「MIDI」「PTP」といった項目から選択できます。Android 14 QPR1をインストールしたPixelの場合、ここに「Webcam(ウェブカメラ)」という選択肢が増えているとのこと。スマートフォンをウェブカメラとして使いたい場合は、この「ウェブカメラ」を選択します。



これにより、通知欄に「Device as Webcam(ウェブカメラとしてのデバイス)」という通知がトリガーされ、スマートフォンをウェブカメラとして利用可能になる模様。テクノロジー系メディアの9to5Googleによると、この通知をタップするとPCに送信されているカメラ映像のプレビューをチェックしたり、タップして倍率を切り替えたり、前面カメラと背面カメラを切り替えたりできる新しいアプリが表示されるとのことです。



ウェブカメラの調整を終えたら、Pixelをロックしてもウェブカメラとして機能し続けるため、バッテリーの消耗を抑えることが可能となっています。ソフトウェア開発をサポートする企業・Esperによると、この機能はGoogle以外のAndroidスマートフォンメーカーも利用可能だとのこと。

すでにAppleはiOSにおいて、iPhoneとMacのウェブカメラとして利用できる「連係カメラ」という機能を搭載していますが、Android 14のウェブカメラ機能はWindows・macOS・LinuxなどさまざまなOSに対応している点で優れています。なお、Pixelスマートフォンのマイクをそのままビデオ会議に使うことは、少なくともAndroid 14 QPR1の段階ではできないそうです。

9to5Googleは、「Pixelはビデオ品質で他のスマートフォンに劣っていることもありますが、それでもほぼすべてのコンピューターに内蔵されているウェブカメラよりもパフォーマンスが優れています。また、Pixelで利用できるオートフォーカスなどの追加機能は、通常より高価な外部ウェブカメラがないとできません」と述べ、Android 14では追加のコストなしで大幅にウェブカメラの品質を向上させられると主張。また、ケーブルで接続して数回タップするだけで利用になるシンプルさも優れていると9to5Googleは評価しました。