厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第14回:ミアネーロ

 注目の良血馬がまもなくデビュー戦を迎える。美浦トレセンの林徹厩舎に所属するミアネーロ(牝2歳/父ドゥラメンテ)である。


まもなくデビュー戦を迎えるミアネーロ

 同馬の母は、現役時代にアメリカで活躍したミスエーニョ。わずか4戦のキャリアながら、GIデビュータントS(アメリカ・AW1400m)、GIIIソレントS(アメリカ・AW1300m)などを制して脚光を浴びた。

 引退後、繁殖牝馬となった彼女はしばらくして日本へ輸入された。そして、2014年に産んだのがミスエルテ(牝/父フランケル)だ。

 同馬はデビュー戦の2歳新馬(阪神・芝1600m)を完勝すると、続くGIIIファンタジーS(京都・芝1400m)も単勝1.4倍という断然人気に応えて快勝した。スタートで出遅れて、4コーナーでも12頭中10番手という位置取りだったが、メンバー最速タイの上がりを繰り出して強襲。ほとんどムチを使うことなく、外から悠々とライバルたちを差しきった。

 その強さから、2歳GIでは牝馬限定の阪神ジュベナイルフィリーズではなく、牡馬混合の朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)に挑戦。結果は4着に終わったものの、同レースでも1番人気に推され、関係者やファンの期待が大きな1頭だった。

 そんな母と姉を持つミアネーロ。デビューを目前に控え、トレセンで入念な調整を続けている。その姿を身近で見ている厩舎スタッフの評価はどれほどのものなのか。関東競馬専門紙のトラックマンが話を聞いてきた。

「今週の追い切りでは、古馬と併せて先着したミアネーロ。陣営も『フットワークがよく、追ってからしっかり伸びる』とまずまずの手応えで、『合格点の動き』と高く評価していました。

 夏前には500kgほどあった馬体重も、『470kgくらいにまで絞れてきた』とのこと。その過程で『動きも良化してきた』と、スタッフは話していました」

 そうした調教の動きや仕上がり具合のよさから、デビューは当初の予定から1週前倒しにして9月16日か、17日に切り替えるという。ただ、陣営には気になる点もあるそうだ。トラックマンが続ける。

「気性面です。スタッフによれば、『急にテンションが上がったり、入れ込んだりしてしまう面がある』とか。姉のミスエルテもその点に苦労したことから、注意深く対応しているようです。

 ともあれ、『平常心でレースに臨めれば、いい走りができるはず』とスタッフ。初戦が楽しみ、といった雰囲気でした」

 早くから結果を残した母や姉から受け継ぐポテンシャルは間違いない。その秘めた才能をミアネーロはレースでも存分に発揮できるのか。初陣での走りに注目したい。