記者会見の様子(2023年9月7日撮影)

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2023年9月7日に開かれたジャニーズ事務所の記者会見で、藤島ジュリー景子氏は、7月から定例で取締役会を開いてきたとした。8月29日に公表された「外部専門家による再発防止特別チーム」によるジャニー喜多川氏の性加害問題に関する調査報告書は、社外取締役について「期待されている職務を果たす機会を十分に与えられていない状況である」と指摘していた。

7月から定例で取締役会を開催

ジュリー氏は今まで開いてこなかったという取締役会と社外取締役について次のように述べた。

「自分が2019年に引き継ぎましてから、できるだけいろいろなことを整備したいとお外の方にもご協力いただいて、弁護士の先生にもいろいろご相談して、少しずつではございますが、いろいろ整備は進めてまいりました。取締役会とは言わず、グループ会社の経営会議ですとか、そういう形で(会議を)開きはじめてはいましたが、この度7月に社外取締役のお3名の方に入っていただきまして、そこからは、定例で取締役会を開き、今回の東山の就任に関しましても臨時取締役会で議決することになりましたが、その際にも社外取締役の方からは厳しいご意見もいろいろいただき、今後は、新経営体制が......きちんとそこのところはやらせていただくものだと思っております」

ジャニーズ事務所は、2023年7月1日、同日付けで元環境事務次官の中井徳太郎氏、元プロ野球選手で2023年のWBCで侍ジャパンヘッドコーチを務めた白井一幸氏、弁護士で第二東京弁護士会のハラスメント相談員・調査委員の経験を持つ藤井麻莉氏の3名が社外取締役に就任したことを公式サイトで発表した。

「外部専門家による再発防止特別チーム」の調査報告書では、社外取締役について次のように指摘している。

「社外取締役の役割として、中井氏は、SDGs等の社会貢献活動の専門家として、今後の CSR活動等を行うこと、白井氏は、コーチングの専門家として、タレントを含む人材教育・成長等を行うこと、藤井氏は、法律の専門家として社内のガバナンス強化、組織・規程作りを行うことがそれぞれ期待されているということである。しかしながら、現在、ジャニーズ事務所においては、取締役会は開催されておらず、社外取締役は、期待されている職務を果たす機会を十分に与えられていない状況である」

続けて、社外取締役が外部者の立場からジャニーズ事務所の経営を監督することを期待するとした。

「各社外取締役がそれぞれに期待された役割を十分果たすことのできる体制作りをし、各社外取締役が外部者という立場からジャニーズ事務所の業務を適切に監視しつつ意思決定できるようにする必要がある。他方で、社外取締役の最も重要な役割は、経営者に直言することを含め、経営者を適切に監督することである。ジャニーズ事務所では、ジャニー氏体制及びジュリー氏体制の下において、取締役会が全く機能しなかったという反省のもと、社外取締役には、とりわけ、経営陣に対して忖度をすることなく、監督機能を発揮することが強く期待される」