関東地方「夏涼しい市区ランキング」トップ200
(写真:奈良観光/PIXTA)
今年の全国の平均気温は、7月としては100年余りで最も高くなった。お盆明け後も厳しい暑さが続いている。『都市データパックデータ』は、自治体単位のさまざまな統計情報を収録、各都道府県の市区単位で、1991〜2020年の月の平均最高気温(※)も記載している。
「※1日の最高気温から求めた月平均の日最高気温のうち、1年間で最高の月の気温(7月か8月)を、さらに過去30年分(1991〜2020年)で平均化した値」
天気予報では「平年と比べて暑い、寒い」と表現されるが、その平年値として比較対象にされているのがこの30年間の平均気温だ。
本稿は関東地方に限定し、月の平均最高気温が低い順に並べた、「関東地方の夏涼しい市区ランキング」を紹介したい。関東地方全体の平均最高気温は31.1度ほどだが、上位13位までは30度以下になった。
ランキングには1981年〜2010年の平均最高気温も併記。「昔に比べて暑い」という感覚は、この点はデータからも裏付けられ、実際にほとんどの自治体で暑くなっていた。
ランキング上位は海沿いの自治体が目立つ
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ランキングの1位は北茨城市(27.0度)。茨城県の北東部に位置し、太平洋に面している。関東全体の平均気温の31.1度と比べると4度も低い。人口は4万人超で、非鉄金属や化学の工場が立地する。アンコウ鍋で知られる平潟漁港や温泉などの観光資源も豊富な自治体だ。
2位も同じく茨城県の高萩市(28.2度)で1位の北茨城市の南側に位置する。吊り橋からの紅葉が有名な花貫渓谷など、こちらも観光名所が多い。
東京に近い3県の中で、最も涼しいのは千葉県の勝浦市(28.8度)。房総半島の東南部に位置し、太平洋を臨む。カツオの一本釣りなど漁業が盛んで、特に勝浦漁港は水揚げ量が国内でも屈指。勝浦の朝市は日本三大朝市の1つともされている。
一方でランキングに掲載した約200の市区の中で、月の平均気温が最も暑いのは、群馬県の太田市(32.5度)と館林市(32.5度)となった。最も涼しい北茨城市とは5.5度の差になる。太田市は北関東を代表する工業都市で、SUBARUが群馬製作所本工場を構える。館林市は4月から5月にかけてつつじまつりが開催される、つつじが岡公園が有名。
ランキング上位は、海水によって冷やされた風が吹き込む海沿いの自治体が多い。少しでも涼しい街に出かけてリフレッシュしてみてはいかがだろうか。
(東洋経済オンライン編集部)