ようやく目を覚ましたG大阪ユース10番・宮川大輝。ぶち当たった壁を乗り越え、世界の舞台を見据えて邁進する
7月27日、第47回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会のラウンド16が群馬県内で行なわれ、コーエィ前橋フットボールセンターのDコートではG大阪ユースとサンフレッチェ広島ユースが対戦。2−1でG大阪が勝利した。
そうした状況下で懸命にチームのために汗を流していた選手がいる。G大阪の10番・宮川大輝(3年)だ。
4−4−2を採用するG大阪において、中盤の底で攻守の繋ぎ役を担当。正確な技術を武器に、上手くハーフスペースでボールを受けて、創造性に富んだパスでチャンスを生み出した。「攻撃は自信がある」と本人が言い切るようにオフェンス面で違いを生んだ一方で、最も目を引いたのが守備の出来だった。
球際でバチバチとやり合い、ハードワークも厭わない。セカンドボールの回収にも誰よりも先に行き、運動量も最後まで落ちずに80分間を通じてピッチを走り続けた。
「守備は課題」(宮川)。自分が得意な攻撃で伸び伸びとプレーできても、苦手なディフェンス面ではサボる癖があった。だが、そうした自身の課題と向き合うきっかけになる場が今年の6月に訪れる。U-17アジアカップだ。
U-17日本代表の一員として今秋のU-17ワールドカップの出場権獲得を目ざしたが、宮川に与えられた出場機会はごくわずか。6試合中で2試合に出場し、先発はグループステージ(GS)最終節のみ。合計のプレータイムは107分で、決勝トーナメントに入ってからは一度も出番がなかった。
そうした悔しさを味わった一方で、プレー面でも今までにない差を痛感させられたという。
「アジアの戦いで自分の課題にはっきり気付かされた。ある程度やれるだろうと思っていたんだけど、全然やれなかったんです。ボールは奪えないし、当たり負けするしで、本当に何もできなかった」
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身体のぶつけ方や球際の部分はもちろん、ポジショニングや足を出すタイミングでも力の差を感じた。だからこそ、今大会は成長を示したいと考えていたが、またしても壁に当たる。
代表から戻ってくると、クラブでポジションを失ってしまったのだ。
「代表で感じた課題をこっちでも修正しようと思っていたら、『クラブでは試合に出られるだろう』という考えから、緩くなってしまった。練習の態度でもそうだし、自分はスタメンで出られるという奢りが出てしまった」
代表から戻ってきて、陥ったまさかの状況。「もともと調子に乗りやすい性格」と本人が振り返る通り、課題を持って日々を過ごしていたが、どこかで油断が出たのだろう。今大会もGSの第2節までベンチスタートとなり、途中出場が続いた。
しかし、名誉挽回のチャンスが訪れる。レギュラーのMF遠藤楓仁(3年)がコンディション不良となったため、GSの3戦目から宮川に先発の機会が巡ってきたのだ。
こうした状況下で先発から外れていたことも、ラウンド16の広島戦で奮起する材料になったのは間違いない。
ようやく目を覚ました10番のプレーに、町中大輔監督も「U-17代表の森山佳郎監督が来ていたから頑張ったんじゃないですか(笑)」と冗談を言いつつも、「普段からあれくらいのプレーを求めたい」と、厳しい言葉ながらも一定の評価を与えた。
課題も多いが、波に乗った時のプレーは凄まじい。今秋のU-17W杯のメンバーに食い込むためにも、さらなる成長を期す。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
