原付二種はATからMTへ回帰!世界中のメーカーが日本に送り込む125ccバイク6選【GoodsPress 2023上半期AWARD】
【GoodsPress 2023上半期AWARD】
125ccクラスのバイクの人気が高まっている。国内では多くがクラッチなしのスクーターだが、ヨーロッパでは庶民の普段の足やバイクライフ入門用として位置付けたMTモデルも多数ある。個性的なデザインで、走っても楽しいバイクという観点から、上半期のアワードを選出した。
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これまで原付二種の人気を支えてきたのは、ATのスクーターだった。ところが最近は変化が出てきている。
3月の東京モーターサイクルショーで、ヤマハがこれまで国内ラインナップで途絶えていたギヤ付きの新モデルを順次投入することを発表。海外メーカーも同クラスの車種を日本向けに送り込んできている。
バイクのニュース編集長の千葉さんは「ATからMTへの回帰が進んでいます。確かに便利なのはスクーターです。でも、操っている楽しさを実感できるのはギア付きだということに気付き始めたのだと思います」と話す。
「また、ビッグバイクを得意とする海外メーカーが日本へ125ccクラスを投入し始めたのは、国内の道路では使い切れない性能よりも、扱いやすく手の出しやすいエントリーモデルのほうが販売につながるからです」
欧米では125クラスはバイクライフの入門車。原付二種とはいえ、大排気量車では免許制度や価格面で手が出せなかった憧れのブランドに跨がれるのは確かに少し嬉しい。
「輸入車はデザインにも個性があって魅力的です。好みや価格面など、輸入車と日本車を比較しながら選べる時代になってきたと言えますね」
原付二種の法定速度は60km/hで二段階右折も必要ない。一般道を走るほかの車両の流れについていける。それに免許も、普通自動車免許を持っていれば、教習所でMTが最短で9時限(3日)、AT限定であれば2日で取得できるのも人気が高まっている一因だ。
バイクのニュース編集長 千葉大さん
CM映像制作会社やAutoblog日本版編集長を経て、現在はメディア・ヴァーグが運営するWebメディア「バイクのニュース」編集長。二輪・四輪とも詳しい。
ー原付二種部門ー
<デザイン賞>
■クルマと共通のアイデンティティを持ったニューモデル
プジョーモトシクル
「PM-01 125」(59万4000円)
プジョーブランドのアイデンティティ、「ライオンズクロー」デザインを採用し、加速感が良いモデルです(千葉さん)
プジョーモトシクルは1898年誕生の現存する世界最古のバイクメーカー。その125周年を記念したプジョー初のMT搭載新モデル。力強く、圧倒的な個性を主張するデザインが特徴的だ。
▲フロントは剛性に優れた∅41mm倒立フォーク、リアはスポーツ走行に最適なプリロード調整機構付きシングルサス
▲フルカラーTFT液晶モニターを採用。速度、距離、ガソリン量、時刻、外気温を表示
▲LEDヘッドライトの下とテール&ブレーキランプに、「ライオンズクロー」のデザインを採用している
<ネオクラシックデザイン賞>
■懐かしさと新しさを融合させたデザインと軽快な走り
ベネリ
「LEONCINO 125」(45万3200円)
レスポンスの良いエンジン特性で優れたハンドリングと俊敏さを感じるライディングを味わえます(千葉さん)
フレームは伝統的な管状のスチールトレリスを採用。新設計のエンジンは9.4kw/9500rpm、最大トルク10.0Nm/8500rpmを発揮。優れたパワー特性と100kmあたり2.2Lという低燃費さを併せ持つ
▲1911年からの歴史と誇りを受け継ぐエンブレムを付けたタンク容量は12.5L。長距離を走れる
▲TFTディスプレイにはモダンで魅力的なグラフィックでライダーに情報を表示してくれる
<アグレッシブスタイリング賞>
■冒険心を刺激するアーバンアドベンチャースクーター
アプリリア
「SR GT 125」(58万3000円)
バンク角もあって十分にスポーツライディングができる、素直な特性を持った乗りやすいスクーターです(千葉さん)
MOTO GPを走るアプリリアのマシンを彷彿させるスタイリングを纏ったスクーター。エンジンは、クラストップレベルの11kw/8750rpm、最大トルク12Nm/6500rpmを発揮する。
▲塗装路からちょっとしたトレイルまで、あらゆる道をスポーティーに走破できる
▲優れたウインドプロテクションを発揮するフロントシールド
▲走破性が高いだけでなく、フロントカウルやシート下などに多くの収納を備え、実用性も抜群
<エキサイティングデザイン賞>
■スポーツライディングの醍醐味を味わえる!
スズキ
「GSX-S125ABS」(42万2000円)
125でちょっとスポーツライディングしたい人にはピッタリな、ネイキッドスタイルのバイクです(千葉さん)
力強い加速と軽快な操作性は、街中から峠までアクティブに走り抜けられ、スポーツライディングの醍醐味を味わえる。アップライトなポジションは長時間乗っても疲れが少ない。
▲キーシリンダーにはシャッターが付き、駐車中のいたずらや盗難を防止する気遣いもされている
▲スタートボタンを1回押すと一定時間スターターが回り、始動を感知して自動的に止まる
<エレガントパフォーマンス賞>
■普段使いから、ちょっとした遠出までお任せ!
スズキ
「バーグマン ストリート 125EX」(31万7900円)
バーグマンシリーズのラグジュアリーなスタイリングと快適な乗り心地をしっかり受け継いだ125モデルです(千葉さん)
普段使いの利便性に加え、ちょっとした遠出や軽快な走りも実現してくれる走行性能。信号待ちでエンジンが自動的に停止し、アクセル開けることで再始動するアイドリングストップ機能がある。
▲ワンプシュで始動可能なシステムを搭載しているが、キックでのスタートも可能になっている
▲シート下に大容量のトランクルームを備えるほか、バッグなどをかけられるフックも装備
<チャーミングフォルム賞>
■二人乗りもできて、ビジュアルも◎
ホンダ
「ダックス 125」(44万円)
とにかく遊び心がいっぱいに詰まったレジャーバイクで、私のような大柄な人間が乗っても十分に走ります(千葉さん)
1969年デビューのレジャーバイクを現代風にアップデート。モンキーと同じ12インチタイヤの小型車ながら長めのシートはポジションも窮屈でなく、二人乗りもできる。
▲バックボーンフレームには伝統のウイングマーク。5速ギアでキビキビ走れるのも魅力
※2023年6月6日発売「GoodsPress」7月号52-53ページの記事をもとに構成しています>> 特集【GoodsPress 2023上半期AWARD】
<取材・文/松尾直俊>
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