7月5日放送の「くにまる食堂」(文化放送)は、健康社会学者の河合薫さんが出演し、新刊「40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか 中年以降のキャリア論」について詳しく語った。

野村邦丸「河合さんの最新刊が“40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか 中年以降のキャリア論”。就職氷河期と言われていた頃に散々苦労して社会人デビューをした方たちももう40代に入ってきている。そこで、何者にもなれない。なんでなのかということなんでしょうけど、40代をテーマにしたのは珍しくないですか?」

河合薫「この本は、ワニブックスの編集者からメッセージが来まして。40歳を過ぎても何者にもなれなかった僕らはこの先、キャリアをどう考えて、どう生きていけばいいのでしょうか?河合さんの視点で救済の書を書いて欲しいと。これってどういうことなんだろうと思って、すごく自分の中で興味が湧いて自分のことを振り返ってみたら、そういえば私もずっと何者にもなれない自分に悩んでたなっていうことを思い出したんですね。でも今、それを思い返すとある時から、それを悩まなくなったんですよね。それで、本を読む人たちにとってヒントになれることが書けたらいいなと片方で思いつつ、もう片方で、自分よりも年下の人に対して、本が書けるだろうか?という迷いがありました。それで編集者の方にこういった本だったら書けますよっていうこと、言ったらぜひ書いてほしいっていうことになって、そこで改めて何者って何だろうって、考えたんですよ」

邦丸「へ~」

河合「彼らにとって、何者とは何だろうって考えると、会社員であれば出世、役職に就くとか、そういうことかなと思いました。それで何者ってなんで必要なんだろうってさんざん考えてたどり着いたのが、“人生思い通りにならなかったけども、結構おもろかったよ”っていうふうに、死ぬ間際に思えたらそれでいいんじゃないかっていうのが私の答えになったんですよ」

邦丸「そうありたいと俺も思うけどね」

河合「私もずっとそういうふうに思っているので、きっとそういうふうに思えるときっていうのは、何者とかどうでもよくて、やっぱり何者って何だろうって考えると自分自身の評価じゃなくて、誰かに評価してもらうとか、自分が外にいる状態、外から見て何だとかそれをきっと私達は何者っていう思ってるんじゃないかと。だから何者になれたかどうか、そんなこと私にはわからないけども、大切なのはそんな誰かからどう見られてるとかどういうふうに評価されるとかじゃなくって自分自身がいい人生だった、思い通りにはならなかったけどもって思えれば、それでいいんじゃないかと。そういう風に思いました」

邦丸「俺も40代もやもやしてたから、非常によくわかります」