当てはまったら要注意! 熱中症予防に大切な「汗かき習慣」ついてますか?
夏になると心配なのが、熱中症や夏バテ。実は、夏本番前のこの時季から予防するのが大切なんです。熱中症予防は、「暑熱順化」がカギ。まずは、暑熱順化できているか、セルフチェックしてみましょう!
【画像で確認】汗かき習慣ついている? 汗トレ前はこんな危険な状態です
教えてくれたのは▷久保智子さん
気象予報士、防災士、熱中症予防指導員。北海道や関西などで気象キャスターを務めてきた。現在は予報や記事作成のほか、小・中学校での環境授業や、気象や防災についての講演を行なうなど、幅広く活動している。
■当てはまったら要注意! 汗かき習慣ついている?
運動をよくしているなど、日頃から汗をかいていれば、暑さに慣れやすいので安心。下記の項目に当てはまる数が多い人ほど、暑熱順化できていないので熱中症に注意が必要です!
□運動はほとんどしない
□お風呂はシャワーですます日が多い
□空調が効いた部屋にいる時間が長い
□夏は苦手で夏バテしやすい
□移動は、近い距離でも車やタクシーを使う
■上手に汗をかければ熱中症になりにくい
夏本番になると怖いのが熱中症。
「梅雨明けの時季、熱中症の救急搬送件数が急増します。その前にできる熱中症の予防策が、汗トレによる暑熱順化です」と教えてくれたのは、気象予報士&熱中症予防指導員の久保智子さん。
「熱中症は体内に熱が籠もると起こります。熱を逃がす働きをするのが汗。冬の間はあまり汗をかかないため、体は汗をかくことが苦手になっています。暑さに慣れ、汗をかきやすい夏モードの体へ変えるのが、汗トレの目的です」
10日〜2週間汗トレを続けると、発汗しやすい体質に変わるそう。
「熱を逃がしやすければ、暑くても体はラク。夏バテの防止にもなり、元気に夏を乗り切れます!」
■汗トレとは?
「暑熱順化」のためにする汗をかく練習のこと
暑熱順化とは暑さに体を慣れさせて、汗をかきやすい体質に変えることで、そのためのトレーニングが汗トレ。体内の熱を放散しやすくなり、熱中症や夏バテの予防に役立つ。
■汗トレ前はこんな状態!
● 汗が出にくく、汗の量も少ない
● 汗に含まれる塩分量が多く、汗と一緒にナトリウムが失われる
● 体の表面にある血管が収縮していて、体の中に熱が籠もりやすい
● 熱中症になりやすい
■汗トレ後はこう変わる!
● すぐに汗をかくことができ、汗の量も多くなる
● 汗に含まれる塩分量が少なくなり、たくさん汗をかいてもナトリウムを失いにくい
● 体の表面を走る血管が拡張し、体表で冷えた血液が全身を巡るので、体が冷えやすい
● 熱中症になりにくい
■Dr. が解説! 汗トレで体はこう変わる
熱中症に詳しい三宅康史先生(帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長)によると、「体温を調整するのは、自律神経の役目です。汗トレをすると自律神経の機能が高まり、より早くたくさんの汗をかけるようになります。また、汗に含まれるナトリウムなどの成分濃度は、薄くなります。体にとって大切な成分は失わないまま、どんどん汗をかいて熱を放散できるようになるのです」
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チェックリストでは2つ該当……。夏本番前、まずは外出時に1駅分多く歩いて、汗かき習慣をつけたいと思います!(編集部 西條)
イラスト/こにしかえ 編集協力/及川愛子
【レタスクラブ編集部】