SNSを見ては人と自分を比べて落ち込んだり、鏡に映る自分の姿にへこんだり…。心を揺らすネガティブな感情、もしかしたら自己肯定感が影響しているのかもしれません。気持ちをラクにするヒントを教えてくれたのは、北斗 晶さん。北斗流“強い心のつくり方”を紹介します。

自分を認めて軽やかに生きる「自己肯定感爆上げレッスン」

「世間では自己肯定感が高い方がいいと言われるけれど、『自己肯定感が低くてなにが悪いの?』って」ありのままの自分を認めて軽やかに生きている北斗晶さんにインタビューしました。

●「自己肯定感」が低くたっていいじゃない!

北斗さん自身も、落ち込んだり悩んだり、ときには自分を否定したくなることもあると言います。しかしその感情に対しては、「一度も否定的に思ったことはない」ときっぱり。

「子どもの頃は、親せきから『お姉ちゃんはいい子なのに』と、頭のいい姉と比べられて傷ついた。好きな子が自分じゃない女の子を好きなことがわかったときには、『あの子は私と違ってかわいいから』と落ち込んだこともある。プロレスラーになってからだってそう。戦力外のレスラーが行くメキシコ遠征のメンバーに選ばれて、『私はダメなんだ』ってとにかくへこんだ。

だけど、そのときの感情をなにひとつ悪いとは思わないの。だってそんな状況、だれも肯定的に捉えられないよ(笑)。だけどね、どんなときでも『これでいい』と思える自分でいたいとは思ってる。人と比べてどうとか、人にどう思われるかが大事なんじゃない。自分が満足できる自分でいられれば、それでいいやってね」

いいと思える自分でいることが、北斗さんのモットー。ではそのために、心がけていることはというと…。

「落ち込んだり、自分を否定しそうになったときは、悩み続けるんじゃなくて、『なんでそう思うんだろう?』って、モヤモヤの根本を突きとめようとしているかもしれないね。たとえば、スタイルのいい人を見てうらやましいと思ったら、その根っこにあるのは人からキレイと思われたい気持ちなのか、自分の体に対するコンプレックスを解消したいという思いなのか。まずそこを考えてはっきりさせるかな」

原因が明らかになったら、次のステップへ。自分でコントロールできる問題であれば、どうしたら解決できるのか、その手段をリストアップ。

「やせたいならダイエットをすればいい。ジムに通ったり、プロの手を借りてもいいよね。とにかく自分にできることがあるかを考えて、あるならそれを実行する。今の私ならどうするかって? スタイルのいい人をうらやましいと思うことはあるけど、私にとってはそれよりも“おいしいものを食べる”ことの方が大事。だから、『ま、太ってるけど、しゃあないな!』で終わっちゃう(笑)」

●スパッと気持ちをきり替えてやれることをやればいい

マイナスの気持ちをそのままにせず、自分なりの改善法を実践する北斗さん。指針となっているのは「自分にとってなにが大切で、どんな自分でいたいのか?」という価値基準。自分軸でものごとを考えてジャッジしていることが、言葉の端々からうかがえます。

「自分を否定してしまう感情は、悪いものじゃないよ。ただ、いつまでも人と自分を比べていたら、自分を否定する気持ちが他人へのねたみや憎しみに変わっていくこともあるじゃない? その時間がもったいないし、なによりそんな毎日楽しくない。私はね、人生の最後に『楽しかった!』って言える人生を送りたいの。そのためにも、スパッと気持ちをきり替えて、これからも自分にできることをやっていこうと思ってる。みんなも自己肯定感っていう言葉だったり、他人に惑わされるなよ! 大切なのは、どんな自分でいたいのか、自分にとって大切なものはなにかを見きわめること。私の言葉にも惑わされるんじゃないよ(笑)」