50代に入り、そろそろ老後のお金が心配になってくる時期。ゆとりある将来のために、今できることは? ファイナンシャルプランナー・塚越菜々子さんに、50代でやめておくこと、始めておきたいことを教えてもらいました。

子どもが自立する50代は老後資金を増やすチャンス!

子どもが自立して子育てに関する費用が必要なくなると同時に、まだまだ働いて収入を得られるのが50代。投資など、攻めの姿勢でお金を増やすことを考えていきましょう。

●<やめること>不必要な保険をやめる

子どもの自立後や住宅ローン完済後は、高額な死亡保障や収入保障は不要。子の医療保険も本人と相談のうえ、契約者を本人に変更して継続か、解約か判断を。また、会社の団体保険に子の傷害保険をつけたままの場合も。今一度確認を。

●<やめること>社会人になった子への金銭援助はやめる

子どもが社会人になったら、奨学金返済や生活費の援助はやめ、金銭的自立を促しましょう。同居する場合も生活費を受け取るようにして。このタイミングを逃すと延々と援助し続けることになり、結果親子共倒れに。

「老後、あなたに頼らないですむように資金づくりの相談に乗って」と、親子でNISAなどの勉強をしても。

●<始めること>老後のお金をシミュレーション

子どもが独立して同居家族が減ると、老後の生活費が試算しやすくなり、必要な老後資金がわかります。また、退職金がいくら・いつ・どんな形で受け取れるのか、就業規定などで確認を。事前に把握しておくことで、退職金を当てにしたずさんな老後計画や投資の失敗を防げます。

収入が途絶える退職後はローンが完済していることが望ましいので、そのために50代でどう返済していくのかも検討しましょう。

●<始めること>つみたてNISAなど投資を始めてみる

退職後は退職金を当てにした投資の勧誘が一気に増えます。そのときが投資デビューだと、突然の大金に浮かれて無謀な投資をしたり、評価額の増減に焦って売り急いだりと失敗しがち。50代のうちからつみたてNISAなどの税制優遇がある投資にチャレンジし、投資の仕組みを理解し、評価額の変動に慣れておきましょう。

●<始めること>住み替えやリフォームを検討するなら今!

50代の不動産契約は、老後を見据えた判断をしやすいのがメリット。バリアフリーのマンションに住み替える、実家に戻る、リフォームして今の家に住むなど、資金力と気力のあるうちに検討しましょう。

また、熟年離婚を考えているなら、転職や転居がまだ可能なこの時期に決断を。経済的に難しければ、「卒婚」という選択肢もあります。

子どもが中心だった暮らしから、夫婦2人の暮らしに徐々に移行する50代。お金のかけ方や貯め方も変わってくるタイミングです。必要なお金とそうでないお金を見極めて、賢く老後資金を増やしていきましょう。

『これからの暮らし by ESSE vol.04』では今回紹介した以外に、50代〜70代の暮らし達人が「買ってよかったもの、ずっと大切にしたいもの」や、老後のお金の不安まるごと解決、飛田和緒さんとめぐる「大人の湘南・鎌倉」、坂東眞理子さんの人生お悩み相談、糖質オフ2品献立、自律神経整え習慣など50代以上の暮らしに沿った情報が満載。