フライトと機窓風景とご当地グルメを満喫!沖縄最果て1泊2日約8万円の弾丸撮影旅

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【10万円で行けるところ、できること】

晴れて海外旅行や、国内旅行が解禁され、勢いが増す旅行ニーズ! 気づけば海外線の増便に、国内も全国旅行支援の延長と国内外の旅行への後押しが目白押し。「今年は久しぶりに旅に出ちゃう!?」なんて考え中の人も多いはず。

とはいえやっぱり気になるのが旅にかかる費用。サーチャージに円安、繁盛期にローシーズン、気にするべき部分もあるけれど、予算内でしっかり楽しみたいもの。ということで、今回は旅の達人に予算10万円でとことん楽しめる、有意義な旅のプランを聞いてみました。

*  *  *

「上空から見る景色が大好きで、フライトの座席選びはかなりこだわってます」そう笑顔で話してくれたのは航空業界に関する記事の執筆や写真撮影を多く手掛けるフォトグラファー・ライターの村田尚之さん。

「仕事柄、撮影に適した座席をおおまかなルートから選ぶのですが、順光が必ずしもベストなワケでもなく。夕方→日没タイミングではあえて逆光側に座ったりも。座席から見える景色はANAのWebサイト『空から見える景色のご案内』も参考にしています」

そんな村田さんが空や旅に魅了されたのは、初めてドイツ・スイスへ渡ったときの機内にて。「ヨーロッパアルプスを越える路線で、機窓から見えた真っ青な空と雪山に圧倒されて…!」。小中学校から写真部所属、もちろん被写体は乗り物。さらに地図好き・地形マニアなのも後押しし、自然な流れで今の業界に入ったんだとか。

なお、フライト前に一番気にするのはやはり機材の重さ。「カメラってご存知のとおり非常に重くて。大まかな重量を事前に計算するためカメラとカメラバッグの重さをリスト化しています。あと、超望遠を持参・破損が心配なときは、手荷物補償(15万まで)に従価料金による補償もプラス」と商売道具だからこそ重さや補償に細心の注意を払っているそう。ちなみに機材以外は「持っていくモノに神経質にならないことが大事」と、迷うなら持って行かない現地調達派。

10万円プランについては「現地だけでなく、フライト自体や機窓風景も楽しんで!という思いを込めました。そこに“山があるから登る”のと一緒で、そこに“路線があるから乗る”。そんな『LCCと地域航空会社でゆく、沖縄最果て撮影旅』にしてみました」

内訳は、1泊2日の弾丸旅で相場は7〜8万円ほど。Peachで成田ー新石垣(約3万5000円)で初日は石垣島で1泊(約1万円)、翌日に琉球エアコミューターで石垣ー与那国の往復利用(約2万円)。与那国滞在はレンタカー(約5000円)とご飯代に雑費もプラス。フライトに重点を置きつつ、現地ではゆる〜く楽しむ上級者スタイルです。

「最近は旅行者も旅を楽しもう、航空会社も旅を楽しんで!という機運がより高まっています。機窓から撮影をしていると、CAさんからの声掛けも多くなりました。窓からの景色・フライト・さらにコミュニケーションと空の旅、日本の端っコへ行くまでも旅を満喫してくださいね」

村田尚之さん
自動車専門誌やメーカー広報誌などを手掛ける編集プロダクションを経て、2002年にフリーランスライター・フォトグラファーとして独立。イカロス出版「月刊エアライン」など、航空専門誌などで乗り物関連の記事を中心に撮影・執筆。徳間書店刊「羽田空港アーカイブ 1931ー2023」の編集・執筆にも参加。

【例えばこんな10万円旅】
最南端制覇で“国盗り合戦”気分!? 「LCCと地域航空会社でゆく、沖縄最果て撮影旅」

「陸路、海路で国内の四極制覇・踏破はなかなか大変! でもヒコーキで行ける端なら比較的現実的ということで、“国盗り合戦”気分で今回は最南端・新石垣空港と最西端・与那国空港へ!(ちなみに最北の空港は稚内空港、最東は根室中標津空港)」

「与那国以外はすべて羽田からの直行便があるのも◎。与那国へは乗り継ぎが必要ですがハードルも低く、1泊あれば存分に楽しめます。日本最西端の碑がある西崎、テレビドラマ・映画のロケ地(『Dr.コト―診療所』)のオープンセットのほか、泡盛の工場見学など見どころも。“日本の端っこまで来た!”を実感したいなら、視界が良ければ台湾が見える西崎はぜひ訪れて。日本最西端の碑もあるので記念撮影も忘れずに」

「琉球エアーコミューター(RAC)で石垣島から与那国に到着! やっぱり飛行機趣味的には一度は訪れたい場所なんです。展望デッキから機体をチェック。ボンバルディア製のプロペラ機、DHC-8-400カーゴコンビという機体の後部が貨物スペースになった50人乗りの機体でのフライトでした」

「与那国島からの復路、西表島上空を通過して小浜島(左上)付近に差し掛かると、眼下にサンゴ礁が一気に広がります。石垣島と西表島の間は石西礁湖と呼ばれ、日本最大規模のサンゴ礁海域。その青さは圧巻! 高度も低くめちゃくちゃ感動しますよ」

テレビドラマ・映画『Dr.コト―診療所』のオープンセット(見学料:300円)。目の前に広がる比川浜ビーチもキレイで、の〜んびり。空港から車で約10分と好アクセス

「こちらもドラマのロケ地として知られる島南側の道路。南牧場では放牧された馬が間近で草をはむ姿が見られますが、彼らの落とし物にはお気をつけて。ちなみにレンタカー代は6時間で4000円ほど」

「我が家はお酒大好き! 飲んだ翌日は妻とともに、胃袋&お財布に優しい石垣島ではお馴染みの「とうふの比嘉」へ。ゆし豆腐のほかにおかゆや玉子焼き付きで約600円。ド直球ながらご当地グルメは旅の原動力。与那国なら、アルコール度数60度の『花酒』も外せません」

 

■旅の達人の相棒は!? 旅のおともアイテム

▼プロペラ機にも持ち込めて、しっかり機材も入る優秀さ。まさに旅の相棒

こちらは日帰り取材や別途スーツケース持参の海外取材用。この状態(カメラバッグ、ミラーレス2台、レンズ2本、Macbook)で約4.5kg(村田さん)

HAKUBA
「プラスシェル シティ04メッセンジャーLカメラバッグ」(7435円)

カジュアルにもビジネスユースにも使えるオールマイティなカメラバッグ。サイドにはカメラキャップやペットボトルの収納に便利なポケットも装備。防水性と防汚性に優れたターポリン素材。「手荷物スペースの小さいプロペラ機にも持ち込めるサイズで、レンズ付きのミラーレス一眼2台とノートPCも入る優れもの」

▼プロカメラマン・航空系編集者御用達!1泊2日の出張にぴったり

ブラック一色、かつシンプルなデザインなので、ビジネススタイルでも目立たないのが良いところ。プロカメラマンや航空系編集者も愛用者が多いんです(村田さん)

think TANK photo
「エアポートコミューター」(3万7400円)

収納力も抜群で、機材一式はもちろん、タブレット、15インチまでのPCを収納可能。レインカバー付きで三脚も取り付けOK。重量約1.9kg。「このサイズのなかでは軽量なほう。機材一式(カメラバッグ、ミラーレス2台、広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームと超望遠ズーム)を入れて約8kg。フルサービスキャリアなら持ち込みできます」

>> 特集【10万円で行けるところ、できること】

<取材・文/相川真由美 写真/村田尚之>

相川真由美|エディター/ライター。ライフスタイル系雑誌の編集アシスタントを経て、IT系週刊誌・月刊誌で約10年以上編集者として刊行にたずさわる。現在は、フリーの編集記者として国内外のテーマパークやエンタメ、ならびに観光、航空関連の取材・インタビューを中心に執筆中。

 

 

 

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