『ペンティングトレイン』第9話で白浜(赤楚衛二)がまさかの闇落ち?「こんな世界終わればいい」と吐き捨てた理由
現在、金曜22時からオンエア中のドラマ『ペンティングトレイン−8時23分、明日 君と』(TBS系・金曜22時〜)。舞台を未来から2026年に移し、新たな局面を迎えている本作。明日23日の放送が最終回の第10話ということで、どんな決着を迎えるのか期待が高まるなか、第9話の見どころを振り返ります。
『ペンティングトレイン』第9話。「最低な世界」白浜にそう言わせた現実とは
山田裕貴さん演じる美容師・萱島直哉を始め、消防士の白浜優斗(赤楚衛二さん)、畑野紗枝(上白石萌歌さん)らが乗車した電車が近未来に飛ばされてしまう…というストーリーです。
2023年ではなく、2026年、隕石が地球に衝突するとされている年に戻ってきた萱島ら6号車の面々。
事件について、世間には忘れられていたかもしれません。が、家族にとって忘れられない3年間だったでしょう。大切な人たちとの再会のシーンには、ついもらい泣きをしてしまいます。それぞれの再会の仕方に、キャラクターが出ているのもおもしろいところ。
萱島の元にも、弟の達哉(池田優斗さん)とかつて勤めていた美容院のオーナー・三島(山口紗弥加さん)が駆けつけます。ふたりの姿を見て、思わず背を向ける萱島。そして涙をこぼし、達哉を抱きしめます。第一声は「ごめんな、迎えに行けなくて」。
未来にいるとき、口ではなんと言っていても、弟が少年院から出てくる日に迎えに行けなかったのは、萱島の心にずっと引っかかっていたこと。涙とともに心から言葉がこぼれ落ちます。
そして、そのあとの牛丼を食べる姿がなんともリアル…! ほかほかの白米もアツアツの牛肉もあちらでは絶対に食べられなかったもの。萱島のテンションの上がりっぷり、おいしそうな表情に見ている側も「帰ってきたんだ」と実感させられます。
しかし、未来から帰ってきた彼らの前途は洋々…かというと決してそんなことはありません。乗客たちが「未来に行っていた」などとはだれも信じません。ならば、彼らは車両ごと3年間、一体どこにいたというのか。とはいえ、未来にいたという証拠になりそうなものはほんの少し。そんな中で自分たちの体験、これから隕石がやってくるということを必死に伝えようとしますが…。
●世間の人々に追いつめられ、少しずつくじけていく心
さらに、彼らはある意味、注目の的。乗客たちのまとめページがつくられ、実生活に支障が出るほどです。顔写真はネットにアップされますし、萱島は店の場所も特定されます。実際に現実世界でそこまでするのか…? と疑問は持つところですが。
好き勝手言いたい放題の世間に呆れる萱島。「最低でクソみてえなところ」と吐き捨てます。さらに、ワームーホールに触ったのが原因なのか、利き手はものをつかめなくなり、目も見えなくなっていく。そして、自分と弟を捨てた母親が、いい母親ぶってインタビューに応えている。萱島は追い込まれていくばかりです。
そんな萱島に発破をかけていた白浜にも災難は訪れます。火事現場での消防活動中、YouTuberたちが現れ、白浜を生中継、さらにツーショットで自撮りをしようとします。思わず振り払おうとした白浜。相手が転んでしまい、結果、暴力をふるったと大炎上。いやいやいや、悪いのはYouTuberでは!? となりますが、その光景に白浜の心は折れます。
「最低だな、ここは。こんな世界、もう終わればいい」
その瞳から光が消えるさまは、観ている人に大きなショックを与えます。そんな気持ちを代弁するかのように白浜の肩を掴む萱島。
「お前が言っちゃダメだ」
自分では、クソみたいなところだと言い、どうなろうと知ったことじゃない、終わればいい、と嘯いていても、彼は白浜を信じていたのです。白浜がいれば大丈夫、と。
そもそも、炎上をしているのを知って白浜に会いに来ていること自体、すべてをどうでもいいと思っているのではないと分かります。
少しずつくじけていく乗客たちの心。果たして運命の日を彼らはどのように迎えることになるのでしょうか。