人に印象よく思われる「語彙力」。自然と使えるようになる“たった1分”のコツ
ビジネスシーンや日常生活での会話やメール、LINEなどで、ここでいい言葉が使えたらなあ…と思うこと多いですよね。そんなときに自分の語彙力のなさを痛感させられるものです。そんな「語彙力」が上がるちょっとした方法をお教えします。
すぐに語彙力が上がるコツ
「普段の会話で使える」「社会人として上手に立ち回れる」「社会人のグレードがアップする」などなど、「語彙力」をグレードアップしたい人に向けたムック『書いて覚える語彙力アップドリル』(扶桑社刊)。本書より、語彙力アップについて一部抜粋し、再編集してお送りします。
●朝晩に1分間「音読」すると、語彙力は驚くほど高まる!
本書監修の山口謠司大東文化大学文学部教授は、以下のように語ります。
「語彙力とは、喜怒哀楽を、自分にピッタリの言葉で言い表す、書き表す力のことです。でも、そのような言葉は、どこにあるのでしょう。それは、自分の『脳の中』です。私たちは、脳にため込まれた記憶を、呼び出して言葉にしているのです。その言葉はきっと、過去のどこかで、聞いたことがある、見たことがあるものです」
そんな山口先生が語彙力アップのためにおすすめというのが「音読」です。
私たちは新聞でも本でも、チラシでも会議の資料でも、つい目で流し読むだけ、で終わり終わりにしがちです。
しかし黙読だと、自分が知らない言葉があっても、わかったような気になって、先に進めてしまっていることにも気がつきません。目はごまかし上手です。速く読もうとすればするほど、なおさらです。わからない言葉はどんどん飛ばしてしまいます。
語彙力をつけるには、ぜひ音読をしてください。たった1分でいいので、できれば朝と夜の2回やってみてください。
音読するときは、大きな声で、振り仮名がついた本を読んでください。自分が間違えるはずがないと思う言葉であっても、「本当はこんな読み方だったのか!」「こんな言い回しをするのか!」など、いろいろ気づくに違いありません。
音読をすると、言葉のリズムがわかります。日本語のリズムは、五七(七五)調。この調子を守っていれば、人に、自分の話をわかってもらいやすくなるという効果があります。それから、音読の習慣をつけると、滑舌がよくなります。これも、人に話をするときには、とても大切なことですね。
そしてなにより、人の言葉を自分の語彙にすることができます。例えば、有名な文豪が書いたものを音読してみてください。文豪たちの語彙力や表現力は、やっぱり音読してみないとわからないものがたくさんあるのです。
語彙力をチェック
実際に問題を試してみましょう!
皆さんが実際にどれくらいの語彙力があるのかを試してみませんか? 普段の会話でベースとなる「相槌・受け答え」の問題です。
いつも同じような相槌や受け答えで会話を成り立たせてはいませんか? 言い換えで印象がよくなる基本の語彙です。さっそくトライしてみましょう。
●問題
言い換えた言葉で□を埋めましょう。
(1)了解です→□□しました
(2)なるほど→□□ですか
(3)なるほど→□□□□□通りです
(4)たしかに→□□に
(5)たしかに→□□□ありません
(6)いただきます→□□します
(7)大丈夫です→□□ございません
(8)大丈夫です→□□□□ありません
(9)それでいいです→□□はございません
(10)がんばります→□□□まいります
(11)努力します→□□いたします
(12)できません→でき□□□□
●解答
(1)了解です→□□しました
承知(しょうち)
(2)なるほど→□□ですか
左様(さよう)
【解説】「左様」は「然様」の当て字です。以前は、「そのままである」という意味を持つ「然」が使われていましたが、今では「左様」と書くのが一般的です。
(3)なるほど→□□□□□通りです
おっしゃる
(4)たしかに→□□に
まさ
(5)たしかに→□□□ありません
間違(まちが)い
(6)いただきます→□□します
頂戴(ちょうだい)
(7)大丈夫です→□□ございません
問題(もんだい)
(8)大丈夫です→□□□□ありません
差(さ)し支(つか)え
(9)それでいいです→□□はございません
異存(いぞん)
(10)がんばります→□□□まいります
励(はげ)んで
(11)努力します→□□いたします
善処(ぜんしょ)
(12)できません→でき□□□□
かねます
語彙力アップのためには、新しく覚えた言葉を反復練習すること
みなさん、楽しんで語彙力アップができましたか?
語彙力をアップするために大切なのは、ありとあらゆる機会を見つけて、新しく覚えた言葉を反復練習することです。
今回トライした問題も一回やっただけで終わりにせずに、何度もトライしてみてください。『書いて覚える語彙力アップドリル』(扶桑社刊)はただいま発売中。