11日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも軟調な地合いとなることが予想され、日経平均株価は続落となりそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が軒並み下落した。米国株市場でも景気敏感株中心に荒い値動きとなり、NYダウは後半戻り足をみせたものの3日連続でマイナス圏での着地となっている。注目された4月の米消費者物価指数(CPI)はインフレの鈍化傾向を示す内容となったが、事前の市場コンセンサスと一致しており、FRBの金融引き締め策が長期化することへの警戒感も拭い切れないものとなった。また、債務上限問題に関する先行き不透明感も引き続き意識され、全体相場の重荷となっている。なお、米長期金利の低下を背景にハイテク系グロース株の値動きは相対的に強さを発揮した。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は終始堅調で、後半上げ足を強め1%強の上昇で取引を終えている。東京市場では日経平均が4月7日以降上昇基調を鮮明としてきたが、直近は買い疲れ感も垣間見られ、前日は主力株をはじめ広範囲に利益確定売りに押される展開を強いられた。きょうは、足もと外国為替市場でドル安・円高に振れていることもあり、引き続き上値の重い展開で2万9000円近辺での弱含みもみ合いが予想される。ただ、決算発表を絡め好業績株への物色意欲は根強く、全体相場を下支えしそうだ。

 10日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比30ドル48セント安の3万3531ドル33セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同126.889ポイント高の1万2306.442だった。

 日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の主な意見(4月27~28日開催分)、3月及び2022年度の国際収支のほか、30年国債の入札など。海外では4月の中国消費者物価指数(CPI)、4月の中国生産者物価指数(PPI)、フィリピンの1~3月期GDP、英中銀の政策金利発表と議事録開示、週間の米新規失業保険申請件数、4月の米PPI、米30年国債の入札など。

出所:MINKABU PRESS