郵船が後場に下げ転換、今期大幅減益・減配計画で自社株買い発表なく失望売り

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 日本郵船<9101.T>が後場に下げに転じた。この日、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。最終利益は前期比80.2%減の2000億円を見込む。大幅減益と実質的な減配の見通しが公表されるのは市場の想定内だったが、決算開示のタイミングでの自社株買いの発表がなく、一部の投資家の失望売りを促したようだ。

 8日の取引終了後に、日本経済新聞電子版は「国内海運最大手、日本郵船の2023年3月期の連結純利益が前の期(1兆91億円)を上回り、最高益を更新したことがわかった」と報じた。同時に「24年3月期の純利益はコンテナ船の運賃下落で7~8割減となる見通しだ」と伝えている。郵船が発表した最終利益の見通しは事前報道の内容に概ね沿ったものとなった。

 郵船の発表によると、今期の売上高は前期比12.1%減の2兆3000億円の見通し。今期の年間配当予想は120円とした。昨年10月1日付で同社は1対3の株式分割を実施している。株式分割を考慮した23年3月期(前期)の年間配当は520円で、実質減配の見通しとなる。なお、同社は25年3月期までの2年間で、合計2000億円規模の自社株買いを実施する方針を3月の中期経営計画の発表時に示している。

出所:MINKABU PRESS