8日の債券市場で、先物中心限月6月限は3営業日ぶりに反発。3日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文で、利上げ打ち止めの可能性が示唆されたことが買い手掛かりとなった。

 FOMCでは0.25%の利上げが決まった一方、声明文では前回会合時にあった「追加の引き締めが適切」との表現を修正。米景気の先行き懸念や米金融システム不安などもあって日本の連休期間中に米長期金利の水準が切り下がったことが国内債の追い風となり、債券先物に買いが先行した。日銀が午前10時過ぎに通知した国債買いオペで、「残存期間10年超25年以下」の買い入れ額が前回の2500億円から2000億円に減額されたことなどから伸び悩む場面もあったが、日銀が4月27~28日に開いた金融政策決定会合を経て緩和継続の見方が強まっていることから下値は限定的。午後に入って、日銀オペの結果が無難と受け止められると再び買いが流入し、先物は引け間際に一時148円68銭をつけた。なお、日銀オペの結果は「残存期間1年以下」が3.10倍(前回は3.46倍)、「同1年超3年以下」が2.63倍(同2.79倍)、「同3年超5年以下」が2.70倍(同1.54倍)、「同10年超25年以下」が1.97倍(同1.96倍)だった。

 先物6月限の終値は前営業日の2日に比べて21銭高の148円66銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、2日に比べて0.010%低下の0.410%で推移している。

出所:MINKABU PRESS