後継者不足で栽培が衰退している鹿沼市板荷の朝鮮ニンジンを後世に伝えていこうとするプロジェクトが産学連携で進められています。

 2年前に栽培を開始した朝鮮ニンジンの種の収穫を3カ月後に控えて25日、鹿沼市の農場で研修会が開かれました。

 このプロジェクトは鹿沼市で江戸時代から栽培が続く朝鮮ニンジンの種の保存と伝統的な栽培技術を継承するものです。宇都宮市の不動産開発賃貸業フェドラの社長・陳賢徳さんが以前、鹿沼市を訪れたときに「県内の生産農家は板荷に1軒だけ」と知り、何かできることはないかと2021年、生産農家や鹿沼南高校、それに宇都宮大学などと協議会を設立しました。

 25日の研修では朝鮮ニンジンを栽培している渡辺正さんの農場に鹿沼南高校環境緑地科の生徒など関係者20人ほどが集まりました。鹿沼南高校では2021年、渡辺さんから譲り受けた種をもとに校内のほ場やポッドで苗を育ててきました。朝鮮ニンジンは種をまいてから収穫まで4年から6年かかり、種の収穫は2023年7月下旬の予定です。生徒たちは種を取る方法や保存の仕方など渡辺さんのアドバイスに熱心に耳を傾けていました。