2022年7月、那須烏山市の養豚場でCSF・豚熱が発生して国内最多のおよそ5万6千頭が処分されたことを巡り、栃木県は豚の死亡が増えていたにも関わらず、当時、養豚場を経営していた会社とその代表者が報告を怠ったとして家畜伝染病予防法違反の疑いで刑事告発していたことが分かりました。

 県が家畜伝染病予防法違反の疑いで刑事告発したのは那須烏山市の養豚場を経営していた東京の「神明畜産」とその「代表者の男性」です。

 県は2022年7月、この養豚場で豚熱の感染を確認した後、約1カ月半かけて飼育されていた豚5万6千頭を殺処分しました。

 県によりますと、2022年7月、県は匿名のメールで「養豚場で豚が死ぬ数が増えている」と情報提供を受けて養豚場の立ち入り検査を行い豚熱の感染を確認したということです。当時、養豚場の関係者は「熱中症などの疑いだと思っていた」と話していました。法律では平常時より死亡の数が増加した場合は速やかに県に報告するよう定められていますが、これを怠ったとして県は4月14日に県警に刑事告発を行い、その日に受理されました。

 県が家畜伝染病予防法違反の疑いで刑事告発したのは初めてということです。一方、県警は25日、那須烏山市の農場や関係先に証拠を集めるため家宅捜索を行いました。