青葉賞に臨むスキルヴィングは陣営絶賛の逸材 キタサンブラック産駒からまたも大物登場か
2023年クラシック候補たち
第15回:スキルヴィング
GI日本ダービー(5月28日/東京・芝2400m)のトライアル、GII青葉賞(東京・芝2400m)が4月29日に行なわれる。その出走予定馬のなかに、ここで結果を出せば、ダービーでも有力候補になるのではないか、と注目を集めている素質馬がいる。
美浦トレセンの木村哲也厩舎に所属するスキルヴィング(牡3歳/父キタサンブラック)である。
ダービートライアルの青葉賞に挑むスキルヴィング
昨秋の2歳新馬(10月15日/東京・芝2000m)でデビューした同馬は、初戦こそクビ差の2着に敗れたものの、続く2歳未勝利(11月19日/東京・芝2000m)を圧勝した。
スタートでやや出遅れて、道中は後方11番手を追走。直線に入ってから、最内に進路をとって強襲した。その際、一度は行く手を塞がれるも、すぐに外側の隙間から抜け出して先頭へ。あとはそのまま突き抜けて、後続に3馬身差をつけて初勝利を挙げた。
その後、3戦目は年明けの1勝クラス・ゆりかもめ賞(2月5日/東京・芝2400m)に出走。ここでもスタートで後手を踏んで、後方からの競馬となったが、4コーナー手前からスムーズに駆け上がっていくと、直前半ばにはラクな手応えで先頭に立った。そして2戦目同様、そこから一気に後続を突き放して、3馬身差の完勝劇を披露した。
圧巻の競馬で2連勝を飾り、青葉賞へ向かうスキルヴィング。陣営は同馬について、かなりの手応えを感じているという。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。
「スキルヴィングについて、厩舎スタッフは『デビュー前から、調教の動きは抜群だった。馬体に柔らかみがあり、乗り味もすばらしい馬という評価だった』と絶賛。『攻め馬でも、レースでも、ゴーサインを出してからの脚が圧巻』と手放しで称えていました。
この馬は、先日のGI皐月賞を制したソールオリエンスや、国内外でGIを3勝しているイクイノックスと同じキタサンブラック産駒ですが、この血統で走る馬に共通する、加速した時の爆発力がありますね」
能力的には申し分ない同馬だが、ダービーを目指すうえで、陣営には心配な点が2つあるという。それについて、トラックマンが説明する。
「陣営が心配しているのは、ひとつはレースが粗削りなこと。これまでの3戦ともにスタートで後れをとっていますが、その点がまた改善されていないみたいです。
もうひとつは、レース後に反動や疲れが出やすい点。仮に青葉賞でダービー切符を手にしたとしても、約1カ月後の本番までにベストな状態に持っていけるかどうか、不安視しているようです」
いずれにしても、青葉賞では中心的な存在であることは間違いない。競馬界最高峰の舞台へ向けて、スキルヴィングがどんな走りを見せるのか、注視したい。