ブラックマジックデザイン、「Blackmagic URSA Mini Pro 12K OLPF」発売。高性能光学ローパスフィルターに対応したシネマカメラ[NAB2023]
Blackmagic Designは、「Blackmagic URSA Mini Pro 12K OLPF」を発売した。希望小売価格は税込911,800円。
同カメラは、12Kスーパー35イメージセンサーに高性能光学ローパスフィルター(OLPF)を追加したデジタルフィルムカメラの新モデル。OLPFは、Blackmagic URSA Mini Pro 12Kで得られるカラーや重要なイメージディテールを維持する一方で、モアレやエイリアスなどのアーチファクトを低減できるという。
Blackmagic URSA Mini Pro 12Kは、デザイン賞を受賞したURSA Miniの筐体に、12288×6480解像度の12Kスーパー35センサー、14ストップのダイナミックレンジを搭載。80メガピクセル/フレーム、新しいカラーサイエンス、Blackmagic RAWの柔軟性を組み合わせたことで、12Kの作業が現実のものとなったという。
12Kからオーバーサンプリングすることで、ハイエンドのスチルカメラのような繊細なスキントーンとディテールを持つ8Kおよび4Kイメージを得ることが可能。12Kでは60fps、8Kでは120fps、4Kスーパー16では240fpsまでの撮影が可能。URSA Mini Pro 12Kは、交換可能なPLマウント、内蔵NDフィルター、デュアルCFastおよびUHS-II SDカードレコーダー、SuperSpeed USB-C拡張ポートなどを搭載する。
バーチャルプロダクションの環境で撮影する場合、ビデオウォールのLEDマトリクスの高周波により、非常にシャープな最新のレンズや高解像度センサーに問題が生じ、干渉パターンが発生する可能性がある。光学ローパスフィルターを使用することで、干渉を最小限に抑え、モアレやエイリアスを低減できるという。
URSA Mini Pro 12K OLPFは、12Kセンサーに精密にマッチした高性能光学ローパスフィルターを追加。また、URSA Mini Pro 12K OLPFでは、IRフィルターが改善され、遠赤色の色反応が向上。これとURSA Mini Pro 12K OLPFのBlackmagic RAW処理との組み合わせにより、色とイメージの重要なディテールが保持され、より優れたイメージ忠実度が実現できるという。
URSA Mini Pro 12Kの高解像度は、ディテール、ワイドダイナミックレンジ、リッチなディープカラーなど、フィルム撮影の利点をデジタルフィルムで享受できるので、劇場映画、テレビ番組、イマーシブな大画面IMAXなどの制作に最適としている。オブジェクトのエッジの解像度が極めて高いので、グリーンバックの作業や、ライブアクションとCGIの合成などのVFXにも最適としている。
Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。
Blackmagic URSA Mini Pro 12Kを発表して以来、LEDビデオウォールを使用したバーチャルプロダクションなどの新しい制作方法により適したカメラの開発に取り組んできました。
このため、センサーに完璧にマッチする光学ローパスフィルターの開発に多大な時間と労力を費やしました。この光学ローパスフィルターは、モアレなどのアーチファクトを低減するだけでなく、URSA Mini Pro 12Kのディテールやカラーを維持し、向上させます。撮影監督たちがこの高解像度カメラをバーチャルプロダクションで使用してどのような作品を作るのか、とても楽しみです!