「GPZ900R」や「モトラ」を待ってるぞ! 復刻を期待したいバイク5選
大型バイクでは「Z900RS」、小型のレジャーバイクでもホンダの「モンキー125」「CT125・ハンターカブ」など、近年は過去の名車を現代の技術で復刻したバイクが人気を集めています。懐かしさや温かみを感じさせるルックスと、現代的な性能や乗りやすさを両立していることが人気のポイントですが、「それなら、あのバイクも…」と期待してしまうのがバイクファン。今後、復刻してほしいモデルや、今の技術で作ったら人気が出そうなバイクについて妄想を膨らませてみました。
1. マジックナンバーで復活してほしいカワサキの「GPZ900R」
復刻バイクとして最も成功しているといえるのが、かつての「Z1」「Z2」のスタイルを復活させたカワサキの「Z900RS」。エンジンは水冷でリアサスペンションも1本タイプと、基本設計はかなり異なるのですが、見た者は誰もが「Z1」を思い出してしまうというデザインの妙技が光ります。
▲1984年型カワサキ「GPZ900R」
そして900ccの水冷4気筒エンジンというと、期待せずにはいられないのが“ニンジャ”の名前を世に広めた「GPZ900R」。クラシカルな「Z1」のスタイルよりも現代的なデザインなので、復活も容易なのでは!? と期待してしまいます。
実は900という排気量は、カワサキファンの間では「マジックナンバー」と呼ばれています。そのきっかけは「Z1」の世界的な成功であり、決定づけたのは「GPZ900R」でした。「Z900RS」の人気ぶりで、やはりこの数字がマジックナンバーであることを証明した今こそ、復活の好機だと期待してしまいます。
2.「モンキー」「ダックス」と来たら次は「モトラ125」!?
原付一種(50cc)で50年の歴史を刻んだ「モンキー」のスタイルを、原付二種の車格で再現した「モンキー125」。同じ手法で2022年復刻され、大きな話題となった「ダックス125」。そして現在のバイク人気を牽引している「CT125・ハンターカブ」など、復刻シリーズで大きな成功を収めているのがホンダのレジャーバイクです。
2匹目どころか3匹目も“柳の下のドジョウ”を手にすると、当然4匹目も…と期待したくなります。そこで一番復刻してほしいホンダのレジャーバイクといえば、1982年発売の「モトラ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
▲1982年型ホンダ「モトラ」
パイプフレームむき出しの車体に極太のブロックタイヤという、まるで軍用車のようなワイルドなスタイルでありながら、どこかキュートさも感じさせるスタイルは一度見たら忘れられないもの。当時の50ccではなく、125ccエンジンで復活させれば副変速機など手のかかる構造も必要ないのでは? と妄想が膨らみます。「ダックス125」で手間のかかるプレス構造フレームを復活させたホンダならやってくれるはず! と期待しましょう。
3.「レブル」の名で復活させたら人気が出そうな「JAZZ」
125ccの横型エンジンを使った復刻モデルが支持され、一方で250ccクラスではクルーザータイプの「レブル250」が絶大な人気。こんなトレンドを目にしていると、思い出さずにいられないのが、50ccの横型エンジンで本格的なアメリカンスタイルを実現していた「JAZZ」です。
▲1986年型ホンダ「JAZZ」
1986年に登場し、大きく寝かされたフロントフォーク、量産車では日本初となるミラードホイールを後輪に採用するなど、50ccとは思えないほど手のかかったモデルでした。ホイールベースも長く、乗りやすさにも定評がありましたが、パワーは十分とはいえなかったので125ccで復活したらさらに楽しいはず!
実は10年に渡って販売された人気モデルで、1995年からは同一設計でデザインを変更した「マグナ50」が併売されていたことを考えると、「レブル125」として復活する可能性も十分あるのでは!? と妄想してしまいます。
▲1995年型ホンダ「マグナ50」
4. 油冷エンジンで復活してほしい「グース」
2020年に発売されたスズキのコンパクトな単気筒ネイキッドモデル「ジクサー250」。大型のオイルクーラーを装備し、エンジンオイルを冷却に用いる新世代の油冷エンジンを採用していることでも話題となりました。
このマシンを見て、かつて軽量・コンパクトさを売りにしていた同社の「グース350/250」を思い出したのは筆者だけではないはず。
▲1991年型スズキ「グース350」
発売されたのは1991年で、レーサーレプリカブームがまだ熱かった頃。250ccクラスでも4気筒モデルが一般的で、そんな中で登場した同車は異彩を放っていました。
単気筒エンジンながら、セパレートハンドルに倒立フォーク(250は正立)を装備し、走りの性能にも妥協のなかったマシン。現代の軽量・コンパクトな油冷エンジンで復活させたら、面白いモデルになるのは間違いないでしょう。
5. ヤマハのスポーツシングル「SRX」
個人的に復活してほしいと思っているのがヤマハのスポーツシングル「SRX400/600」です。空冷単気筒マシンとしては2021年に生産を終了した「SR400」が有名ですが、「SRX」シリーズであれば排ガス規制的に厳しい空冷でなく、水冷であっても問題ないはずと思うからです。
▲1990年型ヤマハ「SRX400」
1985年に初期型が発売されますが、1990年以降のリアがモノショックになってからのほうが現代的な足回りになりそう。250ccクラスの「SRX250」もラインナップされていましたが、このサイズであれば2ストエンジンを載せた「SDR」のスタイルのほうが好み。このデザイン、現行モデルであれば2ストでなくても結構評価される気がします。
▲1989年型ヤマハ「SDR」
残念ながら、ヤマハの現行モデルにはスポーツシングルに使えそうな単気筒エンジンはありませんが、かつて魅力的なシングルモデルをラインナップしていたメーカーだけに、復刻を期待したくなってしまいます。
* * *
勝手な妄想ばかり並べましたが、こうやっていろいろと想像を膨らませるのも楽しいもの。あなたの復活を期待したいバイクは何ですか?
<取材・文/増谷茂樹>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
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