「休日無気力症候群」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?
特にどこが悪いという訳ではないのに、休日になると体がだるい・やる気が起きない・眠くて仕方がない…などという人は意外に多いです。
これは休日無気力症候群と呼ばれる症状の可能性があります。どのような病気なのか気になる人も多いでしょう。
そこで今回は休日無気力症候群について解説します。詳しい症状や原因について、またなりやすい人や治し方も紹介しています。
病院へ行くべきか、そのタイミング・目安についても解説しているので参考にしてください。
休日無気力症候群の症状と原因
休日無気力症候群の症状はどのようなものでしょうか?
休日無気力症候群とは無気力症状が休日になると現れる…という症状です。無気力な状態が休日にのみ現れると考えてよいでしょう。症状としては次のようなものになります。休日になると何もしたくない
休日なのにどこにも出かけたくない
人に会いたくない
一日中ゴロゴロ寝ている
休日になると頭痛や体調不良がある
平日は何とかできていることが、休日になるとできなくなるという症状が休日無気力症候群の特徴です。
休日無気力症候群の原因を教えてください。
休日無気力症候群という病名は正式な病名ではなく、原因についてもはっきりとしたことは分かっていません。ただ無気力症候群の症状が休日に限って現れるということから、次のような原因が考えられます。平日に仕事をし過ぎたことによるエネルギー不足
身体の防御反応が弱くなる
エネルギーの回復状態にある
平日に多く働くことでエネルギーを使い果たし、エネルギー不足に陥っていることが原因の1つに考えられます。また仕事や学業の時はあらゆることに対応できるようにストレスに対するホルモンがされ意欲の基となりますが、休日には分泌されにくくなり身体の防御反応が弱まります。
ストレスに対するホルモンが分泌されないことなども含め、エネルギーの回復状態にあることが原因であるとも考えられます。
なりやすい人はいますか?
休日無気力症候群になりやすい人には、とにかく真面目で集中して仕事をする人が挙げられます。仕事も学業も持つ力をすべて出し切って行った結果、身体が休息を求めている状態である場合も多いのです。頑張りすぎる人が多いのが休日無気力症候群の特徴だといえるでしょう。
うつに発展することもあるとか…?
休日無気力症候群でそのまま状態を放置した場合、急性うつ状態となる可能性が大きいです。休日無気力症候群では平日は仕事も動くこともできるという状態だったものが、急性うつ状態になると平日も動けない状況が続きます。夜は頭が冴えて眠れず、朝は起き上がれないという症状が出る場合もあります。仕事の効率も悪くなり残業が続き、さらにうつ症状が悪化してしまうという結果となってしまうこともあるのです。
休日無気力症候群の治し方
病院での治療は必要でしょうか。
休日無気力症候群の状態では、単に疲れているのか…と見過ごしてしまう症状が多いのですが、この時にしっかりとケアすることが大切です。特に数週間も症状が続く場合には受診してください。日頃の生活や仕事に関して改善すべき方法などの指導、そして適切な薬での治療で症状が改善することも多いです。辛い気持ちのままで過ごすよりも医師に相談することで解決の糸口がつかめることもあります。特に次のような症状があるなら受診が必要です。
頭にもやがかかったような状態が続く
ほとんど寝たきりの状態が続く
いつも焦燥感がある
上記のような症状は急性うつ状態がさらに進んでしまう兆候でもあります。不安に思ったなら早めの受診をおすすめします。
休日無気力症候群は何科に行けばいいのでしょうか。
休日無気力症候群という病名は医学的には無いのですが、無気力症候群の1つとして考えて受診してください。受診する場合は心療内科・精神科がよいでしょう。休日無気力症候群は特に病気ではないため特効薬はありません。ただカウンセリングを受けて、ほんの少し心を軽くするだけで症状が改善する例が多いのです。どのような治療が行われるのか解説します。治療方法には主に次のようなケアが行われます。
身体への治療
仕事に関する治療
心因的な治療
身体への治療で行われるのは、就寝時には携帯電話やスマホを触らない・朝はできるだけ日光にあたるなど具体的な改善点の指導です。
仕事に関する治療としては、職場で相談できる人を持つ・時々休憩し体を動かす・仕事以外に楽しいと思える時間を作ることなどを提案されます。心因的では薬による治療が施されることが多く、抗うつ効果のある薬品が処方されます。
休日無気力症候群は生活習慣の見直しで改善できますか?
休日無気力症候群ははっきりとした病気ではありませんが、休日に何もできなくなるのは辛いことです。ただ規則正しい生活を送ることや食生活にも気を付けることで改善が見込まれることもあります。仕事中と休憩時間をしっかりと分けて、休憩中にはパソコンやタブレットなども閉じて気持ちを切り替えることが大切です。食事はきちんと摂る・夜はしっかり眠る・暴飲暴食は控える・煙草は吸わないなど身体にも心にも良いことを行うようにしてください。このように生活習慣を見直すことは休日無気力症候群の改善には効果があると考えられます。毎日の積み重ねが症状の軽減に繋がるので、あきらめずに続けることが大切です。
休日無気力症候群の予防方法
休日無気力症候群を予防するにはどうしたらいいですか?
休日無気力症候群を予防するには、まず気持ちをゆったりと持ち無理に頑張ろうとしないことです。お伝えしたように休日無気力症候群になりやすい人には、頑張りすぎる人が挙げられます。また真面目に頑張ってきたけれど、目標が無くなりどうすればよいのか分からなくなった、など目標が途切れた時に無気力状態になることが多いです。そのために予防方法としては頑張り過ぎないこと、そして新しい目標を作ることが大切になります。日頃の生活や仕事のやり方を見直すことも必要です。
病院に行くべき目安を知りたいです。
休日無気力症候群はそのまま我慢していると、うつ状態に陥ってしまう可能性があります。できればそうなる前に受診して、心や身体のケアを行うようにしてください。ただ仕事で無理をしたので疲れが溜まっているのかも…とついそのまま様子を見てしまいがちです。
うつ状態になってしまう前に受診するためには、次の症状を目安にするとよいでしょう。
夜眠れない・朝起きられない
眠ったのに疲れが取れない
人との会話ができない
少しのことで疲れてしまう
なかなか寝付けない・朝すっきりと起きられない・よく寝たのに疲れが取れない、これらは休日無気力症候群が進んだ症状と考えられます。人の話が頭に入らない・何もしていないのに疲れるなどはうつ状態の初期の症状の場合が多いです。
うつ状態がさらに進むと長期的な休養が必要となる場合もあります。そうならないように初期状態の内に受診して改善方法を医師に相談したり薬での治療を行ったりすることが必要なのです。適切な治療や症状に合わせた治療を行うことで気持ちも軽くなり症状も軽減するでしょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
休日無気力症候群は平日は何とか仕事をすることができても、休日になると何もしたくない・眠ってばかりで起きられないなどの症状が現れる病気です。疲れが溜まっているだけだと、放置しておくと急性うつ状態に移行してしまうこともあるので注意が必要です。気分の沈む症状が続くため、できれば初期段階のうちに受診して早めに症状を軽くする方法を医師に相談しましょう。
編集部まとめ
休日無気力症候群は文字通り、休日になると無気力になってしまううつ状態の初期の症状といえる病気です。
本格的なうつ状態になってしまう前に仕事や生活の改善方法を実践することや、心療内科や精神科を受診して症状を軽くすることが大切です。
生活習慣を見直すことも症状改善には重要で、朝は決まった時間に起きて日光を浴びる・食事はきちんとバランスよく摂るなども必要になります。
無理に頑張ろうと思うのではなく、ゆったりとした気持ちで毎日を過ごすようにしてください。
参考文献
無気力症候群(e-ヘルスネット)