電子タバコを吸わされる生後11か月の男児(画像は『7NEWS Australia 2023年3月2日付「Police respond after video surfaces of 11-month-old baby forced to inhale vape」(Credit: 7NEWS)』のスクリーンショット)

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火を使わず、香料を含んだ液体(リキッド)を気化させて水蒸気を楽しむ電子タバコ(Vape)が、若者を中心に人気である。リキッドを加熱して吸引することによる健康への影響ははっきりとは分かっていないが、最近は深刻な健康被害も報告されている。そんな電子タバコを、若い母親が1歳未満の赤ちゃんに吸わせる動画がSNSで拡散、警察が乗り出す事態となった。豪ニュースメディア『7NEWS Australia』などが伝えた。

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オーストラリア、ニューサウスウェールズ州警察が先月28日、同州ケンプシーに住む10代の母親の自宅を訪れた。SNSで生後11か月の息子に電子タバコを吸わせる動画が拡散し、非難が殺到したためだった。

問題の動画は、女が膝の上に乗せた男児の口に、黄色いボックス型の電子タバコの吸い口を入れている。すると数秒後、男児の小さな鼻の穴から白い煙が噴き出しているのが見て取れる。

そうして次は、男児の目の前に座った女が「試してみたい?」と声を掛け、再び電子タバコを吸わせている。男児はしばらく口に含んだ後、むせて咳込んでしまうが、女はまるでその反応を楽しんでいるかのように笑い出している。近くにいる女も止めもせず、ニヤニヤしているだけである。

なお電子タバコを吸わせたのは叔母だったという情報もあるが、母親が男児のそばにいたことは確かなようで、この動画には次のようなコメントが寄せられた。

「息子が電子タバコを吸って、咳をしているのを見て笑っているなんて…。どんな母親なの?」
「信じられないわ。まだ赤ちゃんなのに!」
「ふざけているとしてもやりすぎでしょう。」
「子を持つ資格なし。子供は親を選べないのよ!」
「最低の行為。」
「なぜSNSに投稿したの?」
「病院に連れて行くべき。」
「母親から子供を引き離すべき。」

これを受け、医師による男児の健康状態の確認が行われ、地元警察は母親に厳重注意をしたという。しかし誰も罪に問われることはなく、「これは虐待。母親は刑に服すべき」という声も上がっている。

ちなみにオーストラリアでは、ニコチン入りリキッドは処方箋がないと購入できない。しかし肺疾患や肺がん患者の調査やサポートを行う慈善団体「Lung Foundation Australia」の最近の調査によると、販売されているリキッドの21%にニコチンが入っていたという。

またニコチンなしの商品であっても、長期使用で血管内壁が損傷する可能性があることや、リキッドへの有害物質の混入、肺疾患を発症したケースも報告されており、100%安全とは言えないようだ。

なお男児が吸ったものがニコチン入りかどうかは不明だが、マレーシアでは昨年、乳児に電子タバコを吸わせた23歳男が逮捕されていた。動画をSNSに投稿したことがきっかけという。

画像は『7NEWS Australia 2023年3月2日付「Police respond after video surfaces of 11-month-old baby forced to inhale vape」(Credit: 7NEWS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)