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欧州向け3車種をEV化

日産自動車は、欧州で販売するキャシュカイ、ジューク、エクストレイルの電動化モデルを2025年から順次発売していく予定で、本格的なEV展開に向けて準備を進めている。

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日産で欧州部門を担当する専務執行役員のギョーム・カルティエ氏は、同社のハイブリッドシステム「eパワー」の人気を基盤に、2030年までに世界総販売台数の半分以上をEVにするという目標に向けた取り組みであると述べている。


CMF-EVプラットフォームを使用したEVが順次登場する見込みだ。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

調査会社ジェイトーの発表によると、キャシュカイの昨年の欧州販売台数は10万5956台と好調で、eパワーがその人気を支えているようだ。

カルティエ氏は「ポイントは、eパワーからBEVへの移行をスマートに行うことです。日産はまだeパワーを立ち上げたばかりです」と話す。

一方でエクストレイルの昨年の欧州販売は74%減少し、わずか2380台となった。これは、3182台を売り上げたEVのアリアを下回るものだ。エクストレイルの販売を復活させるためにも、EVに代わるパワートレインに期待をかけている。

ただ、生産はまだ初期段階であることをカルティエ氏は認めている。「現時点では、これらの車種に注目しています」

キャシュカイ、ジューク、エクストレイルの3車種は今後、ルノー・日産・三菱のCMF(Common Module Family)プラットフォームのEV専用バージョン「CMF-EV」を使用する予定だ。CMF-EVは、アリアで初めて採用された。

現在、キャシュカイとエクストレイルはCMF-CDプラットフォームを、ジュークはルノー・クリオと同じ小型のCMF-Bプラットフォームを使用している。

3車種のEV仕様は2025年から2027年の間に導入される予定である。先陣を切るのはジュークと見られるが、カルティエ氏はいずれもeパワー仕様と一緒に販売されることを示唆した。

その頃には、バッテリー技術も今より進歩しているはずだ。日産の欧州R&D担当上級副社長デビッド・モス氏は12月、「エネルギー密度と効率が向上した、より安価な」新世代のリチウムイオンバッテリーが「2、3年以内に」登場することを明らかにした。

現在のアリアよりも長い航続距離を実現し、充電時間も短縮するバッテリーが搭載されると予想されている。だが、モス氏によれば、2028年にデビュー予定の全固体電池の使用は時期的に厳しいとのこだ。

駆動モーターも進化し、ピークパワーとトルクではアリア(242psと30.5kg-m、シングルモーター)を上回ることも可能だろう。また、エネルギー回生の効率化により、航続距離をさらに伸ばすことができるかもしれない。

現在、3車種の英国価格はジュークが2万410ポンド(約330万円)、キャシュカイが2万6130ポンド(約420万円)、エクストレイルが3万1400ポンド(約500万円)からとなっているが、新技術の導入により上昇する可能性が高い。