飛行機の利用者、10月から一気に増えましたものね。

国際線・国内線ともに売上増

 航空会社のANA(全日空)、ピーチなどを傘下にもつANAホールディングスとJAL(日本航空)グループが、2022年4月〜12月までの決算を発表しました。新型コロナウイルス感染拡大期に入ってから初めて、2社ともに「純損益」が黒字を記録しています。


JALとANAの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

 ANAホールディングスの2022年4月〜12月における純損益は626億円の黒字に。「売上高を伸ばしつつ、コストマネジメントを徹底したほか、公租公課の減免等のご支援の継続もあり、第2四半期に続き、営業利益・経常利益・純利益のすべてにおいて黒字となりました」といいます。

 ANA国際線は10月以降、日本の水際対策が緩和され訪日需要が回復し始めたことなどから、旅客数は前年同期の約5倍、収入は前年同期の約6倍に。ANA国内線も10月以降は全国旅行支援によりレジャー需要が喚起されるなどし、旅客数・収入ともに前年同期の約1.9倍を記録したとのことです。

 一方、JALグループの2022年4月〜12月における純損益は163億円の黒字に。こちらもその要因として、国際線は水際対策緩和にともなうインバウンド旅客の回復、国内線は全国旅行支援による観光需要の増大などを挙げています。

 JALグループの国際線LCC(格安航空会社)、ZIPAIRも「7月以降は継続して黒字を記録している」(JAL)とのことで、黒字化の一旦を担っています。また、国内線はとくに「年末年始期間の旅客数は2019年度対比で約9割まで回復するなど、高需要期を中心に多くのお客さまにご搭乗いただきました」としています。

 その一方で、2社で予測に差が出たポイントも。2022年4月から2023年3月までの通期業績予想は、ANAホールディングスが前回修正より200億円高い、純損益600億円に上方修正。一方JALグループは、前回修正より200億円低い、純損益250億円に下方修正しました。

 なお、株主に対する配当計画については、ANAホールディングスが無配から「修正なし」とした一方で、JALグループは今期末における1株あたりの配当予想額を20円に。「今期の黒字化とこの先の見通しに一程度の目途をつけることができた」(JAL)ためとしています。