コスパ最強！『大阪焼肉・ホルモンふたご』の鉄板からはみ出る「巨大カルビ」の謎に迫る

2023年1月24日 10時48分

食楽web

●調査内容：鉄板からはみ出るほどの巨大カルビとは何かを、人気急上昇中の焼肉チェーン『ふたご』でいただきつつ、その中身に迫る！

　コロナ禍の影響もあり、最近では「一人焼肉」「一人鍋」など、これまで大勢で楽しむことが当たり前だった料理を“お一人様で楽しむ”というスタイルが定着しつつあります。食の在り方が多様化する中で、飲食業界も時代のニーズに合わせて柔軟に変化していくことが求められています。

　そんな中、焼肉業界において、これまでとは違った発想で、「世界一記憶に残る焼肉屋」という謳い文句で全国各地にチェーン展開するのが『大阪焼肉・ホルモンふたご（以下、ふたご）』。こちらでは、名物メニューに「はみ出るカルビ」という数量限定メニューがあります。

　その名の通り、鉄板からはみ出るほど巨大なカルビなんですが、なぜこのようなメニューが存在するのか？　その秘密を探りに『ふたご笹塚店』へ。その中身に迫りつつ、『ふたご』の取り組みやそのヒストリーにも迫ってみることにしました。

1日限定3～5食しか提供しない赤字覚悟の「はみ出るカルビ」

約250gあるリブロース肉を大胆に一枚使用した「はみ出るカルビ」（食楽web）

『ふたご』の「はみ出るカルビ」は、同店屈指の看板メニューで、A4ランクからA5ランクの黒毛和牛のリブロース約250gを丸々1枚カットして使った、一度で4つの部位を楽めるというかなり贅沢な一品です。高原価であることから、1日限定3～5食しか提供できないようですが、予約すれば確実にいただけるそうです。早速『ふたご笹塚店』のヒデさんに秘密を聞きました。

「このランクのリブロースをバラ売りすると、通常であればトータルで約5～6000円ぐらいはかかりますが、それを1枚1680円（税別）で提供しています。あまり声を大にしては言えないけれど、原価率で言うと90％近くになるので、どうしても大量にはご提供できないんです」（ふたご・ヒデさん）

　確かにこの大きさで1680円（税別）という価格、通常のサービスであり得ないのはよくわかります。そのありがたみを感じつつ、さっそく実食させていただくことにしました。

4種類の部位と2種類のタレで、何度でも美味しい

盛大なかけ声に合わせて鉄板に威勢よく置かれた「はみ出るカルビ」

　オーダーすると、店員さんがいきなり「ヨイショー！！」のかけ声と共に、威勢良く鉄板の上にドーンと「はみ出るカルビ」を置いてくれました。

　この1枚肉を「焼き研修」に合格した店員さんが焼きなが部位ごとに切り分けてくれます。1枚で楽しめる部位は、ほどよく脂の乗った「カブリ」、「中落ちカルビ」とも言われる脂の乗りがよい「ゲタ」、柔らかくキメ細かい「リブ芯」、口に入れた瞬間溶けるように柔らかい「リブ巻」の4種です。

4つの部位に切り分けていただきます

　これら4種類を各部位ごとに切り分けていただくのですが、まずはタレをつけずにいただきました。いずれの部位も肉のジューシーな旨みを感じさせてくれ、頬が落ちるほどの味わいです。

秘伝のたれや、ぽん酢たれとの相性も抜群！

　次は、タレやポン酢でいただきます。それぞれの部位の味わいがさらに多方向に広がっていくかのような絶品の味です。濃いめの味付けなので、ご飯のお供としてはもちろん、お酒もグイグイ進むことウケアイです。

　これを執筆している今でも、その味を思い出し、つい口の中が「はみ出るカルビ」になってしまうほど病みつきの味わいで、これが『ふたご』屈指の名物として支持されていることにもおおいに納得できました。

『ふたご』のライバルは焼肉店ではない！？

『ふたご笹塚店』ヒデさん

『ふたご』には、この他にも焼肉の定番メニューから、同店でしか味わうことができない様々なメニューを展開していますが、一般的な焼肉店よりも敷居が低く、気軽に入れるお店の雰囲気も特徴的です。改めてヒデさんにお店について聞きました。

「都心部の焼肉店は、『ファミリーで行き、1人当たり3千円前後で楽しめるリーズナブルな店』あるいは『ハレの日に行くような1人1万円ほどの高級店』と、2極化していました。

『大人が美味しいものを気軽に食べられる焼肉店』『高すぎず安すぎない中間層向け』の焼肉店はなかったんですね。そこで『ふたご』チェーンでは、この中間のお店を目指すことにしました。『何を食べようか』と選ぶ瞬間からお客さまに楽しんでいただきたいという想いから、メニュー構成はもちろん、その名称にもかなりこだわって展開しています。

　飲食店でありながら『人』にフォーカスし、美味しいもの食べながらも楽しめる空間を作ることを心掛けています。美味しいことは当たり前で、それに“楽しい”とか“元気になった”と言っていただけることが『ふたご』が一番求めている部分です。今では『ライバルは数多くある焼き肉店ではなく、ディズニーランドだ』と考え、来ていただいた皆様に楽しんでいただけるようなエンターテインメント性を取り入れた『世界一記憶に残る焼肉屋』になりたいと考えています」（ふたご・ヒデさん）