新型コロナウイルス新系統「XBB」「BQ.1」国内で感染確認 第8波につながる恐れも
新型コロナウイルスのオミクロン株から派生した新たな系統が国内外で確認され始め、WHO(世界保健機関)も声明を出すなどして警戒を呼びかけています。こちらのニュースについて竹内医師に伺いました。
監修医師:
竹内 想(医師)
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。専門領域は皮膚科、美容皮膚科。
警戒されている新たな変異株の動向は?
オミクロン株から派生した新たな系統についてWHOも警戒していますが、変異株の動向について教えてください。
竹内先生
まず、直近の感染拡大の第7波は、オミクロン株「BA.5」によるものでした。東京都が示したデータによると、現時点での感染の割合は高い状態ですが、8月・9月に比べると割合は減少傾向にあります。そのほかの種類による感染はいずれも1%台ではありますが、「BA.2」の変異株「BA.2.75」、「BA.5」から派生した「BF.7」があります。このほかにも、WHOが警戒を促す声明にも記載されている「XBB」「BQ.1」「BQ.1.1」の感染確認の報告が国内で上がりはじめています。こうした新たな系統は日本で現在主流となっている「BA.5」よりも感染力が強い可能性があるため、東京都は新系統に対応した独自のPCR検査を始めるなどをして対策を強化している状況です。
「XBB」「BQ.1」「BQ.1.1」とは?
「XBB」「BQ.1」「BQ.1.1」について現時点でわかっていることを教えてください。
竹内先生
まず「XBB」についてですが、WHOが10月27日に発表した声明によると、35カ国で感染が報告されており、世界的にみた有病率は10月3~9日の時点で1.3%とのことです。「XBB」は「BA.2」から派生した変異ウイルスが組み合わさった「組換え体」と呼ばれるタイプのウイルスです。感染力の高さが指摘されていますが、従来のオミクロン株に比べて免疫から逃れる能力や重症化率が高いとは言えない状況です。
「BQ.1」は、「BA.5」の亜系統でいくつかの重要な抗原部位にスパイク変異が起きています。「BQ.1.1」は「BQ.1」からさらにスパイクに変異が起きているものです。WHOによると、10月3~9日の時点で「BQ.1」の世界的な有病率は6%で、65カ国で検出されています。従来のオミクロン株と比べると、感染者における割合が増加傾向にあり、免疫から逃れる能力が高い可能性があります。しかし、実際に感染した場合の重症化リスクが高まったり、免疫逃避が起きたりしたことを示すデータはまだ確認できていません。
第8波への影響は?
こうした新たな系統が新型コロナウイルスの流行の第8波に与える影響について教えてください。
竹内先生
今回のニュースのような新たな系統のウイルスによる感染が報告されており、第8波が起きる可能性も懸念されます。手洗い・うがいやマスクの着用など、引き続き予防策を徹底しましょう。
まとめ
新型コロナウイルスのオミクロン株から派生した新たな系統が国内外で確認され始め、WHO(世界保健機関)も声明を出すなどして警戒を呼びかけていることが今回のニュースでわかりました。今後も新たな変異の情報は注目を集めそうです。
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