【漫画付き】乳がん検診はいつから受ければいい? 30代は受けないほうがいいってホント?

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近年、若くして乳がんになる著名人の話を聞くと、自分も早く検診を受けたほうがいいのではと心配になりますよね? でも乳がん検診って30代で受けると危険という話も耳にします。どうしてリスクがあるのか、何歳から検診を受けるのがいいのかなど、乳がん検診の疑問を緑が丘ウイメンズクリニックの松浦菜穂子先生が教えてくれました。

監修医師:
松浦 菜穂子(緑が丘ウイメンズクリニック 院長)

国立群馬大学医学部卒業後、慶応大学病院産婦人科に入局。国際医療福祉大学三田病院麻酔科や順和会山王病院麻酔科を経て、現在の緑が丘ウイメンズクリニックの院長となる。日本産婦人科学会認定専門医・日本麻酔科学会認定指導医・母体保護法指定医・検診マンモグラフィ読影認定医などの資格を持つ。

乳がんのリスクは40代から増加

編集部

乳がんになりやすいのは、何歳くらいからですか?

松浦先生

乳がんのリスクが増えるのは、一般的に40代からと言われています。ただ乳がんはいきなり現れるわけではなく、7~8年かけてしこりが大きくなり乳がんになります。そのため初期のうちに見つけるためには、30代から検診を受けてもいいかもしれません。

編集部

乳がん検診はどのようにして行うのですか?

松浦先生

まず触診は、市の検診を除くすべての人に対して行います。触診だけの人もいますが、さらにエコーによる超音波検査かマンモグラフィ検査のいずれかを行うことがほとんどですね。

編集部

超音波検査とマンモグラフィ検査、どちらの検査を選ぶのがよいのですか?

松浦先生

40歳まではエコーによる超音波検査でいいと思います。乳腺密度が濃い若い方は、マンモグラフィでしこりを見つけるのが困難です。エコーでしこりの有無をしっかりと調べるのがいいでしょう。

30代の乳がん検診は危険ではないが、やるならエコー検査を

編集部

30代での乳がん検診が危険と言われるのは、このことと関係があるのですか?

松浦先生

検診が危険というのとは、違うかなと思います。マンモグラフィ検査の放射線被ばくがあるため…と思っている方も多いようですが、ひと月に一度など頻繁に行わない限り、そこまでリスクがあるわけではありません。

編集部

では問題なく乳がん検診を受けてもいいのですか?

松浦先生

注意していただきたいのは、妊娠中や授乳中の検診です。30代は出産をする女性も多いので妊娠中や授乳中などはマンモグラフィではなく、エコー検査を受けるようにしましょう。

編集部

そうなのですね。マンモグラフィは40代から行うことが多いのですか?

松浦先生

そうですね。40代になると乳腺密度も低くなり、マンモグラフィでしこりを発見できる精度も上がります。乳がんの初期サインである石灰化を見つけるのに優れているので、乳がんのリスクが増える40代から行うと安心だと思います。エコーと併用して検査をする人もいますよ。

しこりがある場合は相談や検診へ

編集部

健康診断による乳がん検診以外で、乳がんの可能性があるので検診に来た方がいいという症状はありますか?

松浦先生

自分で乳房を触ったときに、しこりがある場合です。一度、婦人科に相談に来ることをおすすめします。胸に痛みがあり来院される方もいますが、痛み=乳がんということは少ないと思います。

編集部

自宅でできるセルフチェックはありますか?

松浦先生

触診です。毎日、乳房を触ってしこりがないか確かめてください。入浴後など、毎日同じコンディションのときにやることが重要ですよ。

編集部

若いうちから乳がん検診を受けたほうがいい人はいますか?

松浦先生

家系に乳がんの方がいる人は、若いうちからの検診をおすすめします。またホルモン補充療法などホルモン治療を行ったことのある人も、乳がん発症リスクのあるエストロゲン濃度が高くなる場合があるため注意したほうがいいと思います。

編集部

その場合、どのくらいの頻度で検診を受けたらいいのですか?

松浦先生

しこりがあるかも…など思い当たることがない限り、通常の健康診断と同じペースで大丈夫です。あまり神経質になりすぎて、気に病むのもよくないですよ。不安に思うことがある人は無理をせずに、20代のうちから相談に行ってみてください。

編集部まとめ

乳がんのリスクが高まるのは40代からですが、初期の腫瘍を見つけるためには30代から乳がん検診を受けておくと安心。30代はエコーによる超音波検査、40代からはマンモグラフィ検査がおすすめです。家系に乳がんの人がいる、ホルモン治療を受けたことがある人は、若い頃から検査を受けるのがよいでしょう。