実は強制じゃない? 違反時の「押印は任意」河野大臣のSNS投稿が話題に! では「押印」しないとどうなる?
反則切符の「押印」実は任意だった!?
2022年10月25日、河野太郎デジタル大臣が自身のツイッターアカウントにて、「交通違反をした時の切符の押印または拇印は任意」と投稿が大きな話題を集めました。
これは一体どういうことなのでしょうか。また実際に現場で交通反則切符の押印または拇印をしなかった場合はどうなるのでしょうか。
河野大臣の投稿に対し、多くのユーザーから「知らなかった」「必ず押印が必要だと思ってた」などの反応が寄せられており、多くの人が交通反則切符の押印が任意であることを知らなかったということがうかがえます。
【画像】「えっ!? これも違反なの?」うっかりじゃ済まされない交通違反を画像で見る(12枚)
そもそも交通反則切符は、通称「青切符」と呼ばれ「交通反則通告制度」に則って運用されています。
交通反則通告制度とは、ドライバーが違反点数3点以下の比較的軽微な交通違反をした場合、一定期間内に反則金を納付すれば刑罰を科せられないというものです。
例えば、一時不停止や信号無視など点数3点以下の交通違反をすると、警察官から呼び止められ、違反者に対して交通反則切符に押印などを求めます。
その後交通反則切符とともに納付書が渡され、違反ごとに決められた反則金を納付することで、その後の刑事手続きに移行することはありません。
ではもし自身が警察官に交通反則切符に押印や指印をしなかった場合はどうなるのでしょうか。
今回河野大臣が発言したように、警察官から交通取り締まりを受けた際に交通反則切符に押印または指印をするかどうかは任意であり、ドライバーが自由に選択できます。
河野大臣は発言の根拠として、警察庁が発出した「交通反則切符における供述書作成上の留意事項について」という通達の画像を添付しています。
同通達では反則切符に関し、「署名とともに求めている押印または指印は、違反者本人が作成したことが確認できるようにする目的で、警察官の求めに応じて違反者の任意により行われるもの(一部抜粋)」と明確に述べられています。
また、この通達では交通取り締まりの現場において警察官が交通違反者に対し「押印や指印はしなくてはいけないもの」などと誤解を招くような言動をしないよう、警察部内で改めて指導を図ることも指示されています。
このほか愛知県警察や宮城県警察など各警察のホームページには、押印や指印だけでなく署名、いわゆるサインについても任意であることが明示されています。
このため、任意である以上、交通反則切符に押印や指印、署名などをしなかったとしても罰則などはありません。
つまり、ドライバーが警察官の取り締まりに納得できないという理由で署名や押印をしなくても罰金が科される、逮捕されるといった不利益はないのです。
ただしドライバーが交通違反の事実を認めないときは、後日刑事裁判に移行した場合に備え、警察が現場で交通違反に関する実況見分をおこなったり、運転者の言い分を聴取することがあります。
※ ※ ※
意外と知られていませんが、交通反則切符への押印や指印、署名については強制ではなく、しなかったとしても罰則はありません。
交通違反で警察官に止められた際には自分の運転を振り返りつつ、自身の納得できる選択をすることが大切です。
反則金の支払いも実は「任意!」
そもそも交通反則通告制度の適用は、受けるか、拒否するかどうかは運転者個人で選択することができます。
仮に、交通違反の事実に納得がいかない場合は反則金を納付しないという選択をすることも可能です。
では反則金を納付しないとどうなるのでしょうか。
反則金を納付しないままでいると交通反則通告センターから自宅に反則金の納付書が郵送されてきますが、それにも応じなかった場合は道路交通法違反事件として刑事手続きに移行し、裁判で争うことになります。
ただし裁判の結果次第では罰金を科されるケースもあるため、その可能性を考慮したうえで反則金を納付するか否かを検討したほうが良いでしょう。
また、反則金を納付した後に気が変わり「やっぱり反則金を支払いたくない」と思っても、反則金が納付された時点で道路交通法違反事件は終結したとみなされ、あらためて刑事裁判で争うことはできないので注意が必要です。